学べること
貨幣の歴史から、お金の仕組みそのものを学びます。ここで扱うのはコインの相場ではありません。二千七百年ぶんの実物と史料を使って、「お金とは何か」を根本から読み解く力です。
この学校で身につくこと
六つの問いに、自分の言葉で答えられるようになります。暗記ではなく、実例を挙げて説明できるところまで。
お金とは何か
交換・尺度・保存という三つの役割が、最初の一枚から見えてきます。
「お金とは何か」と聞かれたとき、機能の側から答えられます。
インフレの正体
貨幣の価値が薄まる仕組みを、歴史上の実例で追えます。
「物価が上がる」と「通貨が安くなる」を分けて、貨幣の購買力に何が起きているかを言えるようになります。
信用と国家
紙が価値を持つ条件と、それが崩れる瞬間が分かります。
ある通貨が信用を失いつつあるとき、どこを見ればよいかという目が身につきます。
金と紙の関係
金本位の成立と放棄を、順にたどれます。
人類が「価値の約束」をどう作り、どう壊してきたかを、順を追って語れるようになります。
過去と現在は、どこまで比べられるか
時代を超えて似ている構造と、制度・技術・社会の違いを、分けて読めるようになります。
過去と今の、何が似ていて何が違うかを、根拠を挙げて言えるようになります。ただし、次に何が起きるかを当てる方法は扱いません。
カリキュラム
まず総論の旅で二千七百年をひとまわりします。そのうえで、方法・主題・人物・教養の四つの軸から科目を選び、深く降りていきます。すべての科目は、入口の一科目「史料批判」から始まります。
入口と方法
何を信じ、何を疑うか。一枚のコインを史料として扱う技術から始めます。数える・読む・見分ける——計量、図像、銘文、来歴、そして研究の作法。
ここで得られるもの ものを前にして「これは何年のどこのものか」を自分で調べ、根拠を示せるようになります。
現代を生き抜く — 実践
騙されない、数字と書類を読む、暮らしのお金、仕組みを素人の言葉で、国と自分、増やすと守るの原理、未来、人間、学び方。原理は国際共通、例は各国。歴史の側から現代へ橋を架けます。
ここで得られるもの 自分の財布と口座と書類を、自分で読み、自分で判断できるようになります。商品を勧めない学校の、生活の側です。
通史 — 貨幣の歴史
起源以前から現代まで、時代を順に歩きます。各時代を一冊の教本にまとめ、実物と、章末の実技と、「今につながる構造」で読みます。
ここで得られるもの 一枚の貨幣を、どの時代のどの仕組みの中で生まれたものかを、順序立てて言えるようになります。
横断テーマ
改鋳・インフレ・戦争と貨幣・紙幣・偽造・通貨の消滅。国と時代をまたいで同じ動きを探し、二千七百年から反復する構造を取り出します。
ここで得られるもの 目の前の出来事について、過去の何と似ていて何が違うかを、根拠を挙げて言えるようになります。
人物の鎖
貨幣を変えた人、貨幣に変えられた人。決定を下した者と、その痛みを負った者を、一本の鎖として辿ります。
ここで得られるもの 制度の変更が誰の判断で起き、誰の負担で成立したかを、人の名で語れるようになります。
教養 — 隣の学問
貨幣は貨幣だけでは読めません。冶金、法、宗教、美術、数学、地理——隣の学問の側から貨幣を見ます。
ここで得られるもの 一枚のコインを、経済の記録としてだけでなく、技術と信仰と美の記録としても読めるようになります。
目的別の読む順
教材が多いので、目的から入る順を四つ用意しました。どれも一つの科目から次へ、順に読めます。
- はじめて学ぶ
目的お金が「重さ」から「印」へ、「印」から「約束」へ変わった道筋を、一度通しで見る。
最初の一里塚第 11 号『お金はどこから来たのか』の第 1 章を読み終え、秤の世界と印の世界の違いを一言で言える。
必須の前提なし — どの道も最初の科目から始められます。個々の科目に要る前提は、その科目の頁に書いてあります
先に読むと楽史料批判 — 第 1 章まで(無料)で足ります。全文を読み終えてから、でなくてよい。
- いまのお金を理解したい
目的預金・国債・中央銀行・デジタルのお金の関係を、来歴から自分の言葉で説明できるようになる。事件(二〇〇七〜〇九年の危機など)から入ってよい。
最初の一里塚第 19 号『事件から読むお金』の事件を一つ読み終え、その事件の数を物差しごとに言い分けられる。
必須の前提なし — どの道も最初の科目から始められます。個々の科目に要る前提は、その科目の頁に書いてあります
先に読むと楽金本位の世界 — 先に読むと、金本位の生と死が立体になります。
- 日本のお金を知りたい
目的日本のお金の千二百年を、改鋳と法の側から読めるようになる。
最初の一里塚第 16 号『稲と銭と銀』の第 1 章を読み終え、銭の前に何が貨幣の役をしていたかを言える。
必須の前提なし — どの道も最初の科目から始められます。個々の科目に要る前提は、その科目の頁に書いてあります
先に読むと楽史料批判 — 第 1 章まで(無料)。
- コインを自分で読みたい
目的手元の一枚を、観察・同定・目録の三段で自分で書けるようになる。
最初の一里塚第 13 号『一枚を同定する』の第 1 課の観察表を、財布の一枚で埋める。
必須の前提なし — どの道も最初の科目から始められます。個々の科目に要る前提は、その科目の頁に書いてあります
先に読むと楽史料批判 — 第 1 章まで(無料)。
教材
すべて自前で作り、実物の写真には出典を付けています。入学すると、以下のすべてが追加の費用なく使えます。
利用できる言語: 日本語のほか、英・中・仏・独・西・伊(教本と科目。計 7 言語)
この教材を、誰と作るか
教材は一人では作れません。所蔵している方から資料をお借りし、専門の方に一科目を監修していただきます。相手の名前を掲げられるのは、成果物が立ってからです。いまは、その入口だけを開けています。