デジタル時代の貨幣論
F10 — 隣の学問

信用とは何かを、二千七百年の目で問い直します。 銭のない時代に金融があった島の記憶から、画面の中の数字まで。
監修: 葉山 満 / 本文の読了目安: およそ 7 分(本文 3,412 字・毎分500字で換算。演習と読む教材の時間は含みません) / 本文のほかに、演習 6 問・読む教材 4 停・参考文献 1 件
この科目で、できるようになること
- 「現金のない経済」の歴史上の先例(十一世紀日本)を挙げ、現在との異同を述べられる。
- 貨幣の三つの働き(物差し・交換・保存)が分離しうることを、実例で説明できる。
- ビットコインとデジタル人民元を、F1・F9 の理論の線の上に位置づけられる。
- 「かたちの消滅」と「信用の存続」を区別して、デジタル化を論じられる。
レッスン(6節)
- 銭を捨てた島 — 一度目のキャッシュレス銭のない時代は、金融のない時代ではなかった。現金の消滅と信用の消滅は、別のこと。
- かたちを失う貨幣 — 到達点の確認預金はすでにコンピューターの数字。デジタル化は未来ではなく、確認が遅れている現在。
- 紙幣の発明国、ふたたび先へ — QRとデジタル人民元交子から千年。かたちを最初に変えた国が、また最初に次のかたちへ動く。国家の台帳という論点つきで。
- 国家なき貨幣の挑戦 — ビットコインの測り方国家に属さぬ貨幣の値段は、ドルで語られ続けている。三つの働きは、分離する。
- 一夜で紙になる — 高額紙幣廃止の実験流通するお金の八割以上が一夜で紙になった。かたちが軽くなるほど、信用への依存は重くなる。
- 道具箱 — 歴史がデジタルに渡せるもの三本の補助線と二つの理論の線。予言の代わりに、判定の道具を持ち帰る。
読む教材(4)
- 銭を捨てた国 日本 11〜12世紀 平安京
第1節。一度目のキャッシュレス——銭のない時代は金融のない時代ではなかった - デジタルの岸辺 アメリカ 2009年 インターネットの上
第4節。国家なき貨幣の挑戦と、ドルという物差しの残存 - 中国 総論・世界2700年 現在 紙幣を最初に手放す国へ
第3節。紙幣の発明国が最初に紙幣を手放す——交子から千年 - インド 総論・世界2700年 後 2016年 高額紙幣廃止
第5節。一夜で八割が紙に——貨幣が信用そのものであることの実験
評価方法
科目内の演習 6 問(確認 4・比較 1・記述 1)。到達は自己評価で記録します。
参考文献
- BIS Innovation Hub work on central bank digital currency (CBDC) — Bank for International Settlements 中央銀行デジタル通貨の実証事業。設計上の論点と各国の試みの一次的な記録
実在を確認した文献・一次資料のみを載せています。