金本位の生と死
C11 — 人物の鎖

金本位は、自然に生まれたのではありません。
監修: 葉山 満 / 本文の読了目安: 科目本文 約 8 分 + 教本 約 32 分 = 約 40 分 / 本文のほかに、演習 11 問・実物 2 点・読む教材 13 停・参考文献 2 件
この科目で、できるようになること
- 金本位が始まった年と終わった年を、根拠を挙げて言える。
- ニュートンの比価の報告が、なぜ始まりとされるのかを説明できる。
- 戦前と同じ比率で戻すことが、なぜ痛みを伴うのかを説明できる。
- 「金本位に戻れば安定する」という言い方の、どこが足りないか指摘できる。
- 日本の金解禁(旧平価・昭和恐慌・テロ)を人物の帰結まで語れる。
- 金本位の終幕(ブレトンウッズ→キャンプ・デービッド)を決断の現場で説明できる。
教本 — TEXTBOOK
レッスン(8節)
- 比率を決めたのは、物理学者だった金本位は宣言で始まっていない。比価が決まり、割安な銀が出ていった結果として残った。
- 理屈は、兌換が止まっているあいだに書かれた理屈は制度の前ではなく、制度が止まったあとに書かれた。順序を逆に覚えない。
- 戻した年に、何が起きたか問題は金本位そのものではなく、戻す比率だった。名目を昔に合わせると、実質が痛む。
- 窓を閉じた日金と結ばれていたのは最後にはドルだけ。だからドルが閉じると、全部がほどけた。
- 昔のままの値で — 井上準之助の扉問題は開けるか否かではなく、開け方だった。旧平価という選択が恐慌と凶弾を呼んだ。
- 通貨の栄光ではなく — ケインズの反対旧平価復帰への反対は、街の賃金から書かれた。予測は翌年、現実になった。
- 金を一国に預ける — ホワイト案の三十五ドル金本位は死なず、ドルの背中に乗った。金一オンス三十五ドル——世界の金の集まる国の現実。
- 山荘の週末 — 一九七一年八月金の窓は、日曜夜のテレビで閉じられた。二千年の金属の時代の、事務的な最終日。
ケーススタディ — 教材で使う(13)
- ニュートンの大改鋳 イギリス 1696年 ロンドン塔の造幣所
第1節。削られた銀貨を機械打ちに入れ替える場面です - ニュートンの大改鋳 イギリス 1717年 ロンドン塔の造幣局
第1節。ニュートンが比価を定めた報告。ここから銀が出ていきます - チャーチルの誤り イギリス 1925年 ホワイトホール・大蔵省
第3節。戦前と同じ比率で戻すという決定の場面です - チャーチルの誤り イギリス 1926年 ロンドンの街路
第3節。戻した翌年に何が起きたか。原因を一つに決めずに読んでください - チャーチルの誤り イギリス 1925〜1931年 イングランド銀行
第3節。決めた本人が後年どう振り返ったか。⚠「伝えられています」の留保に注意 - ブレトンウッズ アメリカ 1944年7月 ブレトンウッズ、英国代表の席
第4節。採られなかったほうの案です。何が違ったかを見てください - 1971年8月15日 アメリカ 1971年8月 メリーランドの山荘キャンプ・デービッド
第4節。決定が下された週末の場面です - 1971年8月15日 アメリカ 1971年8月15日 アメリカ全土、テレビの前
第4節。テレビで告げられた三つの柱。原文で確かめてください - 金解禁から戦争へ 日本 1930年 東京と養蚕の村
第5節。開け方の選択と、その代価。命懸けの時代の記録 - チャーチルの誤り イギリス 1925年 ロンドン・書斎
第6節。反対の作法の実物。街の賃金を見よ - ブレトンウッズ アメリカ 1944年7月 ブレトンウッズ、米国代表の席
第7節。三十五ドルの設計。力の現実が制度になる - ブラジルの金(3) ポルトガル 18世紀 ロンドンの造幣局
金本位が立ち上がる前に、その金がどこから来たのかを見る停です。ブラジルで掘られリスボンを通った金が、なぜロンドンに留まったのかを追ってください。 - 金は、来なかった インド 1898〜1913年 決済の現場
金本位を、金の来なかった側から見た記録です。ケインズが三十歳の本でこれを金の本位ではなくポンド為替の本位と呼んだ、その言い換えの意味を確かめてください。
評価方法
科目内の演習 11 問(確認 7・比較 1・記述 3)。到達は自己評価で記録します。
参考文献
- Gold Reserve Act of 1934 — Federal Reserve History (Federal Reserve Bank of Richmond ほか) 1934-01-30 署名。米国内の貨幣用金の所有を財務省へ移し、ドルの金兌換を禁じた。著者 Gary Richardson / Alejandro Komai / Michael Gou
- Roosevelt's Gold Program — Federal Reserve History 1933〜34年の金とドルをめぐる政策。米国は1830年代から事実上、1900年から法制上の金本位制にあり、1913年には連邦準備制度の枠組みに組み込まれていた
実在を確認した文献・一次資料のみを載せています。