貨幣制度が崩れる
崩れ方は、何が制度を支えていたかをどう教えるか
王朝交代・改鋳 → 通貨危機・デフォルト
3分でわかる お金のしくみの崩れ方
- 絵で見る
- あなたならどうする?
- くわしく読む
1絵で見る
横に送って見られます
1 / 8
昔
王朝が代わり、お金のしくみが途切れた
2 / 8
昔
改鋳も、お金のしくみを崩すきっかけになった
3 / 8
似ているところ
信用が積み上がる速さと崩れる速さは、同じとは限らない
4 / 8
今
今の崩れ方は、通貨の危機やデフォルト
5 / 8
今
デフォルトは、約束(契約)が途切れること
6 / 8
違うところ
途切れ方が違えば、立ち直る道も違う
7 / 8
使える見方
崩れ方を見ると、何がしくみを支えていたかが分かる
8 / 8
気をつけること
昔の崩れ方から、今の崩れる時期や形を言い当てない
2あなたならどうする?
「国の支配者が代わり、お金のしくみがそこで途切れた」。これは昔と今、どちらの崩れ方でしょう?
選んでみてください
昔の崩れ方
そうです。王朝の交代は、物の断絶です。今のデフォルトは、契約の断絶です。
今の崩れ方
今の崩れ方は、通貨の危機やデフォルトの形をとります。支配者が代わって途切れるのは、昔の王朝交代の形です。
崩れ方が違えば、立ち直る道も違います。崩れ方を知ると、何がしくみを支えていたかが見えてきます。
昔の代表的な場面
いまのお金の場面
本の場面のうち、このテーマが現れるもの。昔の場面との比べ方を、場面ごとに並べています。
1-06 / 現代のお金 現在 東京 預金保険機構
- 似ている
- 預けた先が倒れれば戻らない、という預金の性質は、両替商の時代から変わらない。
- 違う
- 現代は保険という第三者が線を引き、線の内側では「銀行の負債」が「機構の約束」に置き換わる。
- 使える
- 残高を見たら、決済用か一般預金か、一つの金融機関に一千万円を超えていないか、を確かめる。
- 限界
- 一千万円は日本の現行の値で、合併後一年は行数倍になる例外がある。破綻処理の方式(保険金支払・資金援助)までは扱わない。
6-04 / 2008年の前に 2007年 ニューヨーク
- 似ている
- 短期で借りて長期で貸す仕組みの脆さは、両替商の時代から取り付けの原因だった。
- 違う
- 借入が担保付きの翌日物のレポで、貸し手が MMF などで、中央銀行の流動性にも公的な信用保証にも、はっきりした形では頼れなかった。
- 使える
- 「レバレッジ」と聞いたら、資本の薄さと、借入の期間の短さを分けて見る。
- 限界
- 具体的な倍率と金額は報告書の PDF から数字が抽出できず、この停では引かない。
6-05 / 2008年の前に 2007年夏〜2008年9月 米国・欧州
- 似ている
- 担保の値下がりが貸し手の逃げ足を速める構図は、担保付きの貸付がある所には常にある。
- 違う
- 担保が住宅ローン証券、貸し手が MMF と海外の銀行で、連鎖が一晩で世界に広がる。
- 使える
- 危機の報道は「何の担保の値段が下がったか」から読む。
- 限界
- 因果の全体像は委員会の結論と NY 連銀の記述に基づく。報告書には、世界的な資本移動を主因とする反対意見も付いている。
5-05 / レポと担保 2019年9月 ニューヨーク
- 似ている
- 流動性が薄いときに小さな衝撃で金利が跳ねる現象は、収穫期に現金が枯れて金利が急騰した近代の金融恐慌と同じ形をしている。
- 違う
- 衝撃の単位が国債の決済日と税の納付日で、対応が中央銀行の貸借対照表の大きさの管理である。
- 使える
- 「レポ金利が急騰」というニュースを見たら、その日に何が決済され、現金がどこへ流れたかを問う。
- 限界
- 推計値はノートの回帰の結果で、期間と定義に依存する。他国への一般化はできない。
昔と今の比べ方
似ている信用の蓄積と崩壊は、非対称になることがある
違う王朝交代は物理的な断絶、現代のデフォルトは契約の断絶。回復の経路が違う
使える崩れ方を知ると、何が制度を支えていたかが分かる
限界過去の崩壊から現代の崩壊の時期や形を予言するとき
「似ている」だけで終わらせないため、違うところ、いまに使えること、昔の例をいまに当てはめてはいけないところ(限界)も書いています。