NOMISMA

強い通貨が国境を越える

なぜ、疑わずに済む一枚が国境を越えるのか

フクロウ銀貨・デナリウス・8レアル → ドル基軸

3分でわかる 国境を越えるお金

  1. 絵で見る
  2. 数字で見る
  3. あなたならどうする?
  4. くわしく読む

1絵で見る

横に送って見られます

1 / 9

昔

フクロウの銀貨が、国の外でも使われた

2 / 9

昔

銀そのものに値打ちがあり、そのまま通用した

3 / 9

昔

デナリウスや8レアルも、国境を越えた

4 / 9

似ているところ

見慣れた1枚は、確かめる時間が短い

5 / 9

今

今は、ドルが世界の中心のお金になっている

ドル基軸

6 / 9

今

ドルを支えるのは、制度・市場・軍事・法

7 / 9

使える見方

中心になる条件は、強さより「疑わずに済むこと」

8 / 9

使える見方

それには市場・安全な資産・法・交換・つながりが要る

9 / 9

気をつけること

素材で通るお金と制度で通るお金を、同じ「基軸」と呼ばない

2数字で見る

8レアル

国境を越えたお金の一つ「8レアル」

3あなたならどうする?

外国の市場で、物を売りました。お代に「見たこともない硬貨」と「毎日見ている1枚」を出されました。どちらで受け取りますか?

選んでみてください

毎日見ている1枚

見慣れた1枚は、確かめる時間が短くて済みます。だからこそ、こうしたお金は国境を越えて使われてきました。

見たこともない硬貨

まず、本物か、中身はどうかを確かめる手間がかかります。疑わずに済む1枚の方が、取引は早く進みます。

4くわしく読む

本文をくわしく読む ↓

昔の代表的な場面

いまのお金の場面

本の場面のうち、このテーマが現れるもの。昔の場面との比べ方を、場面ごとに並べています。

ドルは、米国の外でも作られる — ユーロダラー

6-01 / 2008年の前に 1962年〜2008年 ロンドン・ニューヨーク・バーゼル

似ている
自国の外で自国の通貨が流通し、その市場の詰まりが本国に跳ね返る構図は、銀貨が国境を越えて流通した時代にもあった。
違う
流通しているのが金属ではなく海外の銀行の預金で、詰まりを解くのが中央銀行どうしのスワップという負債の交換である。
使える
「ドル資金の逼迫」と聞いたら、米国の外のドル預金と、中央銀行のスワップ線を思い出す。
限界
数字は BIS 論文の記述と、そこで引かれた同行の推計。ユーロダラー市場の成り立ち(1950年代)は扱わない。

金融システムが止まりかけたとき、中央銀行は何をしたのか

7-02 / 2008と QE 2007年〜2009年 ワシントン

似ている
取り付けのときに誰かが最後に貸す、という役割は、公的な貸付機関が設けられた近世の危機と地続きにある。
違う
貸す相手が銀行だけでなく MMF や CP 市場や海外の中央銀行に広がり、貸す手段が貸借対照表の拡大そのものになった。
使える
危機の報道で「流動性供給」と聞いたら、三つの群のどれか、誰に、何を担保に、を分ける。
限界
各プログラムの規模と結果は扱わない。危機の原因の評価も範囲外。

レポの金利が、契約の基準になる

5-04 / レポと担保 現在 ニューヨーク

似ている
「基準となる金利」を市場の取引から作る発想は、為替相場の建値や商品取引所の値決めと同じ。
違う
基準の土台が特定の銀行の申告ではなく、国債担保の実取引の中央値である。
使える
「SOFR 連動」の契約を見たら、その金利が国債レポの翌日物から来ていることを思い出す。
限界
日本の円金利指標(TONA など)や東京レポ・レートの算出は、この停では扱わない。

昔と今の比べ方

似ている

見慣れた一枚は確かめる時間が短い。だから国境を越える

違う

フクロウは銀そのものが通用した。ドルは制度・市場・軍事・法が支える

使える

基軸の条件は強さではなく「疑わずに済むこと」。そして「疑わずに済む」ためには、流動性の高い市場・安全資産の供給・法制度・交換可能性・ネットワークなど複数の条件が要る

限界

素材の通用と制度の通用を同じ「基軸」で呼ぶとき

「似ている」だけで終わらせないため、違うところ、いまに使えること、昔の例をいまに当てはめてはいけないところ(限界)も書いています。

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