NOMISMA

コインの来歴と売買のルール

どこから来たコインなのか。売買の前に確認する記録と、関係する法律を学びます。

本文を読む目安:約9分
確認問題は任意です(この時間に含みません)
読める範囲:講座の入口と目次は無料・本文は購入された方向け
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3分でわかる コインの来歴と法

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  2. 数字で見る
  3. あなたならどうする?
  4. くわしく読む

1絵で見る

横に送って見られます

1 / 9

土から出た1枚は、学者・古銭商・収集家の手を旅する

持ち主たちの記録が「来歴」。値打ちの1部

2 / 9

盗掘された1枚は、どこで何と出たかを永久に失う

金属は残っても、情報が消える

3 / 9

1787年

法に「州はお金を作ってはならない」と書いて禁じた

禁止の一つめの形

4 / 9

1865年

紙幣に1割の税。「禁止」と書かずに追い出した

10%

州の銀行が出す紙幣にかけた税

5 / 9

301年

値段の上限を法で決めたら、物が市場から消えた

1793年のフランスは死刑まで科した。結果は同じ

6 / 9

1610年

空売りを禁じても、何度も禁じ直すことになった

禁止は行いを消さず、担う人を変える

7 / 9

刻印 → ギザギザの縁 → 肖像 → 立体。偽造との競争

確かめる手間を減らし、偽る手間を増やす

8 / 9

1649年

造幣所の内側で、銀の量がごまかされていた

世界中で、その銀貨が疑われた

9 / 9

1652年

罰ではなく、ひと目で分かる新しい柄で信用を戻した

2本の柱と海の波

2数字で見る

10%

1865年、州の銀行が出す紙幣にかけられた税。これで紙幣は消えた

177枚

画像と出典の両方がそろった、NOMISMA の標本室の実物

3あなたならどうする?

あなたは古いコインを買おうとしています。売り手は「本物です。法律上も問題ありません」と言います。ほかに何を確かめますか?

選んでみてください

「合法か」が分かれば十分

それだけでは足りません。禁じられていても行われていること、禁じられていなくても失われたものがあるからです。

どこから来て、誰の手を経て、何が分からないか

これがこの講座の答えです。出所・経路・法域・欠落の四つ。いちばん大事なのは、分からないことは何か、です。

4くわしく読む

本文をくわしく読む ↓

再現画コインの来歴と売買のルール — 講座の口絵

この講座で、分かるようになること

  • 来歴が失われた一枚は、何を失っているのかを説明できる。
  • 法による禁止が「禁止」と書かれずに行われる形を、実例で言い当てられる。
  • 価格を法で決める試みが、なぜ繰り返し失敗してきたかを説明できる。
詳しい案内

講座の番号:E7

監修: 葉山 満

本文のほかに、演習12問・コイン5点・読む教材19件・参考文献2件 所要時間の出し方

ほかに分かること

  • 一枚を手に入れる前に確かめるべき問いを、自分の言葉で並べられる。
  • 偽造対策の技術史を、打刻からギザ縁・肖像・立体表示まで順に言える。
  • 来歴が「いつ・どこで・誰の手を経たか」の記録として作られる過程を説明できる。

この講座は、ほかの講座を読まなくても始められます。

あわせて読むと、つながりが分かる講座(任意)

出典の確かめ方を詳しく知りたい方へ(任意)

評価方法

講座内の演習12問(確認8・比較0・記述4)。到達は自己評価で記録します。

この講座の8つの章
  1. 一枚には、来歴がある来歴は値打ちの一部であり、一度切れると継げない。盗掘は、金属を残して情報を殺す。
  2. 禁止は、「禁止」と書かれるとは限らない禁止には三つの形がある。明文・課税・価格の固定。いちばん効いたのは、禁止と書かれていない課税だった。
  3. 値は、法で決められない価格の固定は千七百年へだてて二度失敗した。罰を重くしても結果は変わらない。
  4. 禁じても消えないもの、だから確かめる禁止は行為を消さず、担い手を変える。だから「合法か」ではなく、出所・経路・法域・欠落を確かめる。
  5. 偽造との軍拡競走 — 終わらない攻防保証の技術は、破られるたびに一段進んだ。手元の硬貨は攻防の最新の到達点。
  6. 内側の裏切り — ポトシ一六四九検査する側が偽装したとき、罰だけでは信用は戻らない。目に見えるやり直しが要った。
  7. 来歴が生まれる場所 — 壺から台帳へ来歴は自然には生まれない。発見の記録から始まる台帳の連なりが、一枚の物語を作る。
  8. NOMISMA の標本室 — 実物百七十七枚NOMISMA の実物はすべて画像と出典が揃った個体だけ。標本で目を作ってから、市場を見る。
読む教材(19)
  • 一枚の伝記 総論・世界 近代 発見と来歴
    第1節。一枚の来歴が積み上がる過程です
  • ローマ帝政 総論・世界 後301年 最高価格令の敗北
    第3節。千七百年前の最高価格令。何が起きたかを確かめてください
  • 利子の禁止と迫害 総論・世界 神と貨幣 中世
    第4節。禁止が担い手の配分を変えた例です
  • 喜捨と利子の禁止 総論・世界 神と貨幣 後7世紀–
    第4節。同じ利子の禁止でも、別の宗教では別の形になりました
  • ロンドン、英議会 アメリカ 本国の禁止 1751年・1764年
    第2節。法を出した側の理屈です
  • 植民地の港町 アメリカ 本国の禁止 1764年〜
    第2節。同じ法を、受け取る側から見た場面です
  • 憲法の中の貨幣 アメリカ 1787年 合衆国憲法、第1条10節
    第2節。明文の禁止の条文そのもの
  • 国法銀行制度 アメリカ 1865年 州法銀行の店先
    第2節。⚠ 禁止と書かずに駆逐した例。この講座の核です
  • 金を手放した春 アメリカ 1933年4月 アメリカ、市民の家々
    第2節。原則と運用の幅に注意して読んでください
  • 刷りすぎた紙 フランス 1793〜1794年 パリ 市場と広場
    第3節。革命期の最高価格令。罰の重さと結果の関係を見てください
  • 取引所の誕生 オランダ 1610年2月 デン・ハーグ、連邦議会
    第4節。くり返し禁じられたということの意味です
  • チューリップ狂 オランダ 1637〜1841年 低地、印刷工房
    第1節の裏。⚠ 語り継がれた話が史料とどう違うか(E1 の復習にもなります)
  • ポトシ造幣所 スペイン 8レアル 1649年
    第6節。造幣所の内側で起きた組織的偽装。検査する側は誰が検査するのか
  • ポトシ、立て直しの造幣所 スペイン 8レアル 1652年
    第6節の後半。罰ではなく、ひと目で見分けられる意匠が信用を立て直した
  • 機械の貨幣 イギリス 1662年〜 ロンドン塔の造幣所
    第5節。ギザ縁と縁の銘文——デクス・エト・トゥタメン——の初出
  • 復興から手のひらへ 日本 2024年 日本の茶の間
    第5節の現在地。立体に浮かぶ肖像まで、攻防は続いています
  • 法が生んだ金 ギリシャ 前4世紀 アテナイの学園
    貨幣は自然によってではなく、法と慣習——ノモスによって存在する。法が貨幣を成り立たせるという考えを、哲学者自身が書き残した一段で読めます。
  • 地震と紙(2) ポルトガル 18世紀後半 ドウロ渓谷の境界石
    1756年、葡萄酒の産地の境界が法で定められ、石標が谷に立てられました。名前が値打ちを持つには、その名を名乗れる範囲が要るという考え方の先駆けです。
  • 銭を運ばずに送る 中国 780年 秋の徴税の村
    七百八十年の両税法は、税を銭で納めることを求めました。納めるものを銭にしたという一行が、市で誰を損させたのかを見てください。
参考文献

この講座の本文で参照した本と資料です。

次に読む

古いコインの保管と手入れ →

次に分かること:「表面は情報である」を、摩耗・古色・付着の三つで説明できる。

本文を読む目安:約6分 / 読める範囲:講座の入口と目次は無料・本文は購入された方向け

料金のご案内

講座の本文と図解の本、国ごとの物語をすべて読めて、貨幣学検定も受けられます。

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