NOMISMA

金貨・銀貨の中身はなぜ変わったか

同じ額面でも金属の量が変わると、取引や人々の暮らしに何が起きたのかを読みます。

本文を読む目安:約8分 / 本で詳しく読む目安:約33分
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読める範囲:講座の入口と目次は無料・本文は購入された方向け
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3分でわかる 貨幣の中身が変わるとき

  1. 絵で見る
  2. 数字で見る
  3. あなたならどうする?
  4. くわしく読む

1絵で見る

横に送って見られます

1 / 9

イングランドの銀貨は、長いあいだ銀92.5%の基準を守ってきた

92.5%

スターリング銀の基準

2 / 9

ヘンリー八世の時代

銀の割合を、一段また一段と下げた

少しずつなら色も重さもあまり変わらない。気づかれないため

3 / 9

1560年

エリザベス一世は、段階を踏まずに一気に戻した

下げるときは少しずつ、戻すときは1度に

4 / 9

良い貨幣はしまわれ、悪い貨幣が支払いに回る

良貨は消えるのではなく、隠れる

5 / 9

国内で嫌われた悪い貨幣ほど、外国への支払いで世界を歩いた

広く使われた貨幣が、良い貨幣とは限らない

6 / 9

ローマ帝国

ローマの銀貨は200年あまり下がり続け、戻れなかった

銀の割合は、やがておよそ2パーセントに

7 / 9

1618年〜

ドイツでは多くの領主が、競うように貨幣を薄めた

隣が薄めれば、こちらも薄めないと損をする

8 / 9

1714年

日本では質を戻したら、出回る金銀が減り景気が縮んだ

良い貨幣は、量が少ない

9 / 9

17世紀

縁のギザギザで、削られたことがひと目で分かるようにした

いまの硬貨の縁にも残る知恵

2数字で見る

25パーセント

ローマの新しい銀貨(215年)。額面のうち水増しだった割合

名乗った額面二デナリウス
中の銀1.5デナリウス分

92.5%

イングランドの銀貨が長く守ってきた銀の割合

3あなたならどうする?

あなたの財布に、同じ額面の銀貨が2枚あります。1枚は銀の多い古い貨幣、もう1枚は薄めた新しい貨幣。買い物で出すのはどちら?

選んでみてください

古い、銀の多い貨幣

多くの人は逆を選びました。手元に置くなら良い方、支払いに出すなら悪い方。良い方は、しまわれていきます。

新しい、薄めた貨幣

多くの人がそうしました。良い方はしまわれ、悪い方が使われる。しばしば「悪貨は良貨を駆逐する」と呼ばれる現象です。

4くわしく読む

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再現画金貨・銀貨の中身はなぜ変わったか — 講座の口絵

この講座で、分かるようになること

  • 品位低下がどの順番で進むかを、段階に分けて説明できる。
  • 「改鋳」に、下げる改鋳と戻す改鋳の二種類があることを見分けられる。
  • 品位を下げた国が、そのあと何に困ったかを言える。

この講座の本

『金貨・銀貨の中身はなぜ変わったか』

始めから終わりまで通して読む本。図版17点・読み終える目安 約33分

無料で試し読みできる範囲: 「段階を踏んで下がる — 一度では下げない」

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詳しい案内

講座の番号:B03

監修: 葉山 満

本文のほかに、演習12問・コイン6点・読む教材12件・参考文献2件 所要時間の出し方

ほかに分かること

  • 品位の記載値と、実際に流通した貨幣の中身を、別のものとして扱えるようになる。
  • ローマ・ドイツ・日本の事例を、第1〜3節の「順番」の上に置いて説明できる。
  • 試金石・ギザ縁など、品位の偽りを見分ける技術を時代順に言える。

この講座は、ほかの講座を読まなくても始められます。

あわせて読むと、つながりが分かる講座(任意)

出典の確かめ方を詳しく知りたい方へ(任意)

評価方法

講座内の演習12問(確認7・比較1・記述4)。到達は自己評価で記録します。

この講座の8つの章
  1. 段階を踏んで下がる。一度では下げない下げるときは気づかれないよう段階的に、戻すときは信用を取るため一度に。
  2. 悪貨は家に居場所がないゆえに、世界を歩く良貨は隠れ、悪貨は旅をする。広く流通したことは、質の証明にならない。
  3. 下げた国が、そのあと困ること「改鋳」には下げる改鋳と戻す改鋳がある。同じ語で呼ぶので、読むとき区別する。
  4. 同じ失敗が、どこで何回起きたか失敗の記憶が新しいうちに作った法は、効く。ただし件数は、出来事の数ではなく記述の量。
  5. ローマ — 二百年あまりの、長い坂一段の切下げより、戻れなかった二百年あまりが本体。時間が代償の大きさを決める。
  6. キッパー・ウント・ウィッパー — 秤が揺れた時代悪鋳が競争になると、坂は崖になる。「少しずつ」は独占の贅沢。
  7. 元禄と正徳 — 下げた言い分、戻した代償戻す改鋳の代償は費用だけではない。質を戻すと量が締まり、景気が縮む。
  8. 見分ける技術 — 試金石からギザ縁まで見分ける技術が上がるほど悪鋳の余地は狭まる。検出の遅れは最後に国家が払う。
この講座で読む実例(12)
  • 大改悪 イギリス 1544〜1551年 ロンドンの造幣所
    第1節の図の出どころ。段階を踏んで下げる様子を原文で確かめてください
  • 獅子の銀貨、世界へ オランダ 1575年〜 低地の港
    第2節。悪貨が旅に出る理屈が、いちばん明快に書かれています
  • 1792年鋳貨法 アメリカ 1792年 鋳貨法、罰則の条文
    品位を落とせば死刑、という条文。なぜそこまで重くしたのかを、直前の失敗と繋げて読んでください
  • 撰銭の世 日本 1485〜1500年 大内の城下と京
    日本の撰銭令。人々が貨幣を選り分けはじめたとき、権力が何をしたかの記録です
  • ローマ属州ガリアの貨幣 フランス 後1〜3世紀 帝国の造幣工房
    第5節の数値の出どころ。ほぼ純銀から二パーセントまでの二百年あまりが、一つの段落に入っています
  • キッパー・ウィッパー ドイツ 1619〜1623年 諸領邦の両替の店先
    第6節。時代の名になった二つの動詞と、店先の秤の情景
  • 江戸 日本 改鋳の世紀 1714年
    第7節。品位を戻した側の代償が、いちばん率直に書かれています
  • ニュートンの大改鋳 イギリス 1696年 ロンドン塔の造幣所
    第8節。検出が遅れた国が最後に払った費用。ニュートン登場の前夜
  • 江戸 日本 改鋳の世紀 1695年
    第7節の数値の出どころ。八十七から五十七へ——触書の一行が動かした量の大きさを、原文で
  • 南へ、海へ(2) ポルトガル 14世紀後半 王の造幣所
    税を上げれば議会と揉め、品位を落とすのは王の一存で済む。この手が選ばれる理由が、王の側の勘定として書かれています。名を変えなかった理由の一行も見てください。
  • 胸像の王 メキシコ 1772年〜 スペイン王室
    1497年の王令以来の品位が、1728年と1772年に引き下げられ、しかも公表されませんでした。世界が同じ品位を信じ続けている裏側で何が起きていたかを、分数のまま読んでください。
  • 楡の実のように軽い 中国 前206〜前180 漢初の市場
    政府が民間の鋳造を認めた結果、誰も違法なことをしていないのに銭が痩せていきました。面には半両と書いてあるのに手に取れば軽い、という状態がどう生まれるかを読んでください。
参考文献
  • Isaac Newton, Warden and Master of the Royal Mint 1696-1727 — The Royal Mint Museum 1696年の大改鋳の一次的な解説。ニュートンは1696年に監事、1699年から死去(1727)まで長官。量目と品位の正確さを重んじ、3年で改鋳を完了させた
  • 日本貨幣史 — 日本銀行金融研究所 貨幣博物館 古代(7世紀後半〜)から近代までの時代別解説。和同開珎以前の商品貨幣、渡来銭とびた銭、江戸の貨幣単位と交換相場、円の誕生と金本位制

この講座の本文で参照した本と資料です。

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額面と実際の値打ち →

次に分かること:名目価値と実質価値の差を、具体的な一枚で説明できる。

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講座の本文と図解の本、国ごとの物語をすべて読めて、貨幣学検定も受けられます。

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