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使われなくなったお金

通貨が役目を終えるときには、四つの型があります。 市場が受け取りを断る、布告で廃止される、戦争に敗れて失効する、そして誰も禁じていないのに使われなくなる。

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3分でわかる 消えたお金

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  3. あなたならどうする?
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横に送って見られます

1 / 9

お金の消え方は四つ。拒まれる、廃止、敗れる、自然に消える

消えることは、お金にとって普通の出来事

2 / 9

1344年 イングランド

王の金貨は、値が高すぎて市場に受け取られなかった

数か月で回収。誰も禁じていない

3 / 9

1670年 日本

幕府は、寛永通宝のほかの銭を使えなくした

先に良い銭を十分に配ってから禁じた

4 / 9

1945年9月 オランダ

全部の札を無効に。手元には新しい十グルデン札1枚

取り上げではなく、預金と新しい札に置き換えた

5 / 9

2016年11月8日 インド

テレビの宣言で、高額の札2種類が一夜で無効になった

8割以上

流通するお金のうち、一夜でただの紙になった分

6 / 9

5世紀 ブリテン島

給料を払う国の仕組みが消え、お金は静かに使われなくなった

誰も禁じていない

7 / 9

1936年 スペイン

内戦で、同じ名前のお金が二つに裂けた

1939年、負けた側の札は無効になった

8 / 9

中世ドイツ

決まった時期に交換。古い4枚が新しい3枚になった

持っているだけで目減りするお金

9 / 9

1917年 ソビエト

お金をなくそうとした国も、結局お金で立て直した

理想の力でも、お金は廃止できなかった

2数字で見る

8割以上

2016年のインドで、一夜でただの紙になった流通するお金の割合

70年

ソ連でお金を「眠らせた」実験が続いた長さ

3あなたならどうする?

1344年のイングランド。王の新しい金貨で払うと言われました。でも、銀に比べて値が高く付けられています。どうしますか?

選んでみてください

額面どおり受け取る

額面どおり受け取ると、受け取った側が損をする形でした。

受け取らない

人々は静かに手を引きました。金貨は発行から数か月で回収され、廃止されます。反乱も抗議もありませんでした。

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再現画使われなくなったお金 — 講座の口絵

この講座で、分かるようになること

  • 通貨が消えるときの四つの型を、実例を挙げて言い分けられる。
  • 市場が受け取りを拒むことで消えた例を、権力の強さと切り離して説明できる。
  • 布告による無効化が、なぜ「没収」と語られやすいのかを説明できる。
詳しい案内

講座の番号:B16

監修: 葉山 満

本文のほかに、演習11問・コイン4点・読む教材17件・参考文献1件 所要時間の出し方

ほかに分かること

  • 誰も禁じていないのに貨幣が消える条件を、自分の言葉で述べられる。
  • 内戦・分断による通貨の分裂と、勝者による決着の型を実例で説明できる。
  • フェアルーフング(定期的な貨幣の更新)の仕組みと狙いを説明できる。

この講座は、ほかの講座を読まなくても始められます。

あわせて読むと、つながりが分かる講座(任意)

出典の確かめ方を詳しく知りたい方へ(任意)

評価方法

講座内の演習11問(確認8・比較0・記述3)。到達は自己評価で記録します。

この講座の8つの章
  1. 消滅は、どの国にも起きている消滅は事故ではなく通常の出来事。八編すべてに例がある。ただし件数は書き手の関心も映す。
  2. 市場が受け取らなければ、王の金貨も通用しない受け取りを拒まれた貨幣は、誰にも禁じられないまま消える。決めるのは発行者ではなく受け取る側。
  3. 布告による廃止 ── 一夜で無効になる日布告は貨幣を無効にできる。ただし猶予の長さが結果を変える。制度の設計と体験は別に書く。
  4. 誰も禁じていないのに、使われなくなる行為者のいない消滅がある。貨幣は、それを必要とする仕組みが消えれば、誰にも禁じられずに使われなくなる。
  5. 裂ける通貨 — 内戦と分断戦線が国土を分けるとき、貨幣も裂ける。決着は勝者の布告で言い渡される。
  6. 定期的に死ぬ貨幣 — フェアルーフング持っているだけで目減りする、貯め込みに罰のかかる貨幣が、中世ドイツに実在した。
  7. 廃止という夢 — お金を消そうとした実験革命政権はお金の廃止さえ夢見た。七十年の実験は、帝国とともに幕を閉じた。
  8. 死後の生 — 名前と約束と収集品通貨は三つの形で死後を生きる。名前の中で、交換約束の中で、そして収集品として。
読む教材(17)
  • 失敗した金貨 イギリス 1344年 ロンドンの造幣所
    第2節。受け取りを拒まれた金貨。数か月で終わりました
  • ベルリン、東西の境 ドイツ 封鎖と二つのマルク 1948〜1949年
    第2節。公式の比率と闇の相場の差を確かめてください
  • 三貨の天下 日本 1668〜1670年 江戸 亀戸村
    第3節。禁止の前に何をしたかに注目してください
  • 解放後の街、配給の窓口 オランダ 十グルデンの一週間 1945年9月
    第3節。一週間を一枚で暮らす場面です
  • 銀行の窓口、申告の秋 オランダ 十グルデンの一週間 1945年
    第3節。⚠「没収された」という語られ方への訂正。この講座の核です
  • 日本 総論・世界 後1946年 新円切替
    第3節。同じ手が日本でも行われました
  • インド 総論・世界 後2016年 高額紙幣廃止
    第3節。猶予が一夜だった場合に何が起きるか
  • ソ連占領地区との境 ドイツ 封鎖と二つのマルク 1948年
    第3節。通貨の分裂が国家の分裂に先立った例です
  • 二つに裂けた半島 スペイン 内戦 1936年
    第3節の裏。相手の紙幣を持つことが罪になりました
  • 戦後の半島 スペイン 内戦 1939年
    第3節の裏。敗者の貨幣がたどる運命です
  • 貨幣が消えた島 イギリス 5世紀 廃れゆく属州の町
    第4節。行為者のいない消滅。この講座の結論です
  • ロシア 総論・世界 後1917年– お金を眠らせた実験
    第4節。貨幣を無くそうとして、結局は作り直した実験です
  • ブラクテアート ドイツ 12〜13世紀 領邦の市の広場
    第6節。貯め込みに罰のかかる貨幣。現代の常識を裏返す掟の全文
  • ユーロへ スペイン 現在 マドリード、太陽の門
    第8節。名前の中の死後生。編の結びの一段落
  • 交換を約さない紙幣 中国 15〜17世紀 帳簿だけに残る額面
    法の上では生きていて、市では死んでいる。誰も殺さないまま二百年そのままだった紙幣と、廃止しないほうが穏やかだった理由が書かれています。
  • 十を一に 韓国 1962年 切替の窓口
    箪笥に眠る現金をあぶり出すために設計された切替が、狙いを果たせなかった記録です。中央銀行自身が、そう書き残しています。
  • 白金の貨幣 ロシア 1845年 サンクトペテルブルク
    十七年で廃止された白金貨の、その後です。回収されたものの多くは溶かされ、貨幣であることをやめた金属がどこへ行くのかが書かれています。
参考文献

この講座の本文で参照した本と資料です。

次に読む

「悪貨は良貨を駆逐する」を考える →

次に分かること:グレシャムの法則と呼ばれるものが、誰の言葉かを根拠つきで言える。

本文を読む目安:約8分 / 読める範囲:講座の入口と目次は無料・本文は購入された方向け

料金のご案内

講座の本文と図解の本、国ごとの物語をすべて読めて、貨幣学検定も受けられます。

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