コインと紙幣の素材
金、銀、銅、紙。お金に使われた素材の性質と、選ばれた事情を調べます。
本文を読む目安:約9分 / 本で詳しく読む目安:約337分
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3分でわかる お金の素材
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- あなたならどうする?
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1絵で見る
横に送って見られます
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金貨、銀貨、銅銭、紙幣。4枚を手のひらに並べてみる
六つの観点で見比べる。点数をつけるためではない
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1848年・1851年
遠い土地で金が次々に見つかり、金本位制を支えた
大地の幸運。ただし、それだけでは説明しきれない
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フランス革命のころ
土地の裏づけがあっても、アッシニアは紙くずになった
土地は売るのに時間がかかる。紙の速さに追いつかない
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今のお金は、誰の借りかで分かれる
紙幣は中央銀行の、預金は民間の銀行の借り。日本の硬貨は政府が発行
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昔のローマの青銅貨は300グラム。1円玉は1グラム
300倍
同じ「貨幣」の名で、重さはこれだけ違う
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昭和13年〜
戦争で小銭の材質が落ち、1枚が年ごとに軽くなった
人々は、国が痩せていくのを指先で知った
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紙幣を発明した国で、いま紙幣が消えようとしている
屋台では QR コードが現金の代わりに
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1982年
自動販売機が増えて、500円が紙から硬貨になった
素材は値打ちではなく、機能で選ぶ時代へ
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2021年
三つの層と斜めのギザ。にせ物とせめぎ合う500円玉
斜めギザを持つ流通貨幣は世界初
2数字で見る
300倍
お金の重さの振れ幅(いちばん重い1枚と1円玉)
初期ローマの青銅貨300グラム
8レアル銀貨27.06グラム
1円アルミ貨1グラム
1グラム
戦時のアルミの10銭。1グラム半から2度削られて
3あなたならどうする?
あなたは革命期のパリの市民です。手元の紙幣には「国が持つ土地という裏づけがある」と言われています。安心して持ち続けますか?
選んでみてください
裏づけがあるなら安心
それでも紙くずになりました。土地は売るのに時間がかかります。戦費のために刷り増され、土地に対して紙が多くなりすぎました。
すぐに換えられるかが気になる
そこが要点です。裏づけがあることと、いつでも換えられることは違います。紙の速さに、土地の遅さが追いつきませんでした。
残ったのは、紙幣は信じられないという国じゅうの記憶。ナポレオンは金属に帰りました。
再現画
この講座で、分かるようになること
- 金・銀・銅・紙の実物を六つの観点で見比べ、その六つが貨幣の条件ではなく比べる手がかりだと説明できる。
- 現金・預金・中央銀行の準備が、それぞれ誰の債務で、支払いにどう使われるかを言い分けられる。
- 「土地に紐づいた証券」が紙幣になっていく過程をたどれる。
この講座の本
『素材で見るコインと紙幣』
始めから終わりまで通して読む本。図版444点・読み終える目安 約337分
無料で試し読みできる範囲: 「素材の前と、最初の合金 — 貝・粘土・エレクトロン」
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詳しい案内
講座の番号:B02
監修: 葉山 満
本文のほかに、演習10問・コイン6点・読む教材11件 所要時間の出し方
ほかに分かること
- 素材の供給が制度を左右した例を挙げられるようになる。
- 素材の重さの振れ幅(数百グラムから一グラムまで)を実例つきで説明できる。
- 戦時の材質低下を、国力の指標として読める。
この講座は、ほかの講座を読まなくても始められます。
あわせて読むと、つながりが分かる講座(任意)
出典の確かめ方を詳しく知りたい方へ(任意)
評価方法
講座内の演習10問(確認7・比較0・記述3)。到達は自己評価で記録します。
この講座の8つの章
- 金・銀・銅・紙を見比べる — 六つの観点六つの観点は、素材を比べるための手がかり。すべてを満たさなければ貨幣にならない、という条件ではない。
- 大地の幸運が、制度を支えていた制度は素材の供給にも左右される。十九世紀の金の発見が金本位を支えた、という読み方がある。ただし、それだけでは説明しきれない。
- 裏づけがあっても、紙は死ぬ裏づけがあっても、換えられる速さが足りなければ紙は死ぬ。
- 金属・紙・預金 — 誰の約束で払うのか現金は中央銀行の、預金は民間の銀行の債務。素材の移り変わりは、発行者と決済の仕組みの移り変わりでもある。
- 三百グラムと一グラム — 重さの振れ幅同じ「貨幣」の名で、重さは三百倍違う。重さの選択には、その社会の答えが写っている。
- 戦争が素材を奪う — 指先で分かる国力銀→白銅→アルミ→錫と亜鉛。材質の転落は戦況の年表であり、人々は指先でそれを知った。
- 電子という素材 — 手ざわりの消える日現金から電子の支払いへ。素材が変わると、発行者と決済の仕組みも変わる。第4節の現在進行形。
- 機能で選ぶ — 現代の素材の思想現代の素材は価値でなく機能で選ばれる。三層の五百円玉は、四百年の技の現在形。
この講座で読む実例(11)
- 借金が革命を呼ぶ フランス 1789〜1790年 パリ 印刷所
第3節。アッシニアが債券として生まれた場面。紙幣として生まれたのではありません - 刷りすぎた紙 フランス 1795〜1803年 パリ 両替商の窓口
第3節。二度死んだ紙のあと、金属へ帰る決断です - 世界の銀行 イギリス 1848〜1886年 カリフォルニアから南アフリカへ
第2節。金本位の前提が「大地の幸運」に支えられていたという記述です - エピローグ 総論・世界 旅の終わり 約束の旅
第4節。すり減った一枚に残るもの。素材のほかに、何が支払いを支えるのか - ローマ共和政 総論・世界 紀元前280–276年 初期ローマ
第5節。一枚三百グラムの青銅。素材の価値がそのまま貨幣だった時代の物証 - 金解禁から戦争へ 日本 1938〜1944年 日本各地
第6節。「手が先に分かりました」。指先で読む国力の名文です - 中国 総論・世界 現在 紙幣を最初に手放す国へ
第7節。紙幣を発明した国が最初に紙幣を手放す——交子から千年の現在地 - 復興から手のひらへ 日本 2021年 造幣局
第8節。三層の断面に畳み込まれた四百年。現代の素材思想の到達点 - 壊れる貨幣 ギリシャ 前406/5年 造幣所の裏手
青銅の芯に薄い銀の皮を被せた非常貨です。中身の銀を請け合うはずの都市の刻印が、銀でないものの上に押されるとどうなるかを見てください。 - 貝という記憶 中国 前11〜前8世紀 黄河流域の鋳造の場
南の海の貝が届かない土地で、青銅が貝の形を写しました。中身が入れ替わっても形だけが残り、そこから先は形のほうが信用を運ぶ——その逆転が起きた場所です。 - 共和国とエスクード(2) ポルトガル 1925年 リスボンの検査台
同じ会社が同じ版で刷った紙幣は、偽札なのか。物としては本物で権限としては偽物、という一件が、この講座の問いにそのまま答えています。