NOMISMA SCHOLA

P06 貨幣制度が崩れる

王朝交代・改鋳 → 通貨危機・デフォルト

崩れ方は、何が制度を支えていたかをどう教えるか

四段

似ている

信用の蓄積と崩壊は、非対称になることがある

違う

王朝交代は物理的な断絶、現代のデフォルトは契約の断絶。回復の経路が違う

使える

崩れ方を知ると、何が制度を支えていたかが分かる

限界

過去の崩壊から現代の崩壊の時期や形を予言するとき

「似ている」で終わらせないための四段です。限界は、どこから先は歴史類推をしてはいけないか。

現代のお金の停で読む

教本『現代のお金は、誰の負債なのか』の停のうち、この構造が現れるもの。各停の四段は、教本では画面に出していません。ここで並べて読みます。

銀行が倒れたら、預金はどうなるのか

1-06 / 現代のお金 現在 東京 預金保険機構

似ている
預けた先が倒れれば戻らない、という預金の性質は、両替商の時代から変わらない。
違う
現代は保険という第三者が線を引き、線の内側では「銀行の負債」が「機構の約束」に置き換わる。
使える
残高を見たら、決済用か一般預金か、一つの金融機関に一千万円を超えていないか、を確かめる。
限界
一千万円は日本の現行の値で、合併後一年は行数倍になる例外がある。破綻処理の方式(保険金支払・資金援助)までは扱わない。

短く借りて、長く持つ

6-04 / 2008 年の前に 2007 年 ニューヨーク

似ている
短期で借りて長期で貸す仕組みの脆さは、両替商の時代から取り付けの原因だった。
違う
借入が担保付きの翌日物のレポで、貸し手が MMF などで、預金保険も中央銀行の口座もなかった。
使える
「レバレッジ」と聞いたら、資本の薄さと、借入の期間の短さを分けて見る。
限界
具体的な倍率と金額は報告書の PDF から数字が抽出できず、この停では引かない。

担保の値段が下がると、何が起きるか

6-05 / 2008 年の前に 2007 年夏〜2008 年 9 月 米国・欧州

似ている
担保の値下がりが貸し手の逃げ足を速める構図は、担保付きの貸付がある所には常にある。
違う
担保が住宅ローン証券、貸し手が MMF と海外の銀行で、連鎖が一晩で世界に広がる。
使える
危機の報道は「何の担保の値段が下がったか」から読む。
限界
因果の全体像は委員会の結論と NY 連銀の記述に基づく。報告書には、世界的な資本移動を主因とする反対意見も付いている。

二〇一九年九月 — レポ金利が跳ねた日

5-05 / レポと担保 2019 年 9 月 ニューヨーク

似ている
流動性が薄いときに小さな衝撃で金利が跳ねる現象は、収穫期に現金が枯れて金利が急騰した近代の金融恐慌と同じ形をしている。
違う
衝撃の単位が国債の決済日と税の納付日で、対応が中央銀行の貸借対照表の大きさの管理である。
使える
「レポ金利が急騰」というニュースを見たら、その日に何が決済され、現金がどこへ流れたかを問う。
限界
推計値はノートの回帰の結果で、期間と定義に依存する。他国への一般化はできない。