NOMISMA SCHOLA

P14 値段は、表に書いてあるとは限らない

両替の差益・改鋳の出目・縁の削り取り → 決済の手数料と、残高の運用益

自分は、いくら払っているのか。誰が、どこで取っているのか

手数料

四段

似ている

お金を換える・運ぶ・預ける場所には取り分があり、一回ごとの取り分は小さく見える。積もった額は、払う側から見えにくい

違う

改鋳の出目は国が貨幣の中身から取り、両替の差益は商人が交換比率から取り、いまの手数料は決済の一段ごとに事業者が取る。取る主体と、取られる場所が違う

使える

率と回数と期間を掛けて、年にいくらかを自分の数で出す。「無料」と書かれた場所では、代わりに何で払っているか(残高の運用益・情報・時間)を探す

限界

「改鋳=いまの手数料」と置くとき。改鋳は強制、手数料は選べる。選べるものを選ばなかった費用は、制度の費用とは別に数える

「似ている」で終わらせないための四段です。限界は、どこから先は歴史類推をしてはいけないか。

現代のお金の停で読む

教本『現代のお金は、誰の負債なのか』の停のうち、この構造が現れるもの。各停の四段は、教本では画面に出していません。ここで並べて読みます。

交通系カードの残高は、誰の負債か

8-01 / デジタル 現在 東京 資金決済に関する法律

似ている
特定の発行者が出した価値が、限られた範囲で貨幣のように回る形は、藩札や商店の私札と同じ。
違う
電子的に記録され、法律が定義と保全の枠を与えている。範囲の限定は、法ではなく発行者の契約で決まる。
使える
残高を見たら、発行者は誰か、どこで使えるか、どこまで保全されているか、の三つを問う。
限界
供託の基準額(政令)と、供託以外の保全方法(保全契約・信託)の中身は扱わない。会計上の扱いも別に確かめる。

「決済」とは、何を消すことか

1-05 / 現代のお金 現在 東京 決済の三つの手段

似ている
「渡した瞬間に終わる」現金の性質は、銀貨の手渡しと同じ。
違う
預金の決済は第三者の帳簿で行われ、終わるかどうかは仕組み(即時グロス決済・DVP)が決める。
使える
「払った」と「決済が終わった」を分けて考える。振込の予約は決済ではない。
限界
挙げた性質は日本の制度の説明で、支払完了性の扱いは国と決済システムで異なる。

裏づけを読む — 開示の頁を開く

8-05 / デジタル 2026 年 8 月 31 日 ボストン USDC の準備

似ている
裏づけを公開して信用を得る方法は、銀行が貸借対照表を公表し始めた時代の発想と同じ。
違う
裏づけが短期国債とレポで、開示が週次、保証が月次と、頻度が桁違いに高い。
使える
開示の頁を見たら、区分と頻度と保証の主体を読み、金額はその日の値として扱う。
限界
この停は一社の自己開示に基づく。他の発行者や、保証と監査の違いの評価はしない。