NOMISMA

銀行・金利・物価のしくみ

銀行は預金を貸しているのか

給料は変わらないのに、去年と同じ買い物で、レシートの合計が増えている。口座に置いたお金の利息より物の値上がりが速いとき、何が起きているのかを、銀行・金利・物価・為替のつながりから読みます。

本文を読む目安:約12分
確認問題は任意です(この時間に含みません)
読める範囲:講座の入口と目次は無料・本文は購入された方向け
購入後は、使えるようになった時点から本文を読めます

3分でわかる 銀行・金利・物価

  1. 絵で見る
  2. 数字で見る
  3. あなたならどうする?
  4. くわしく読む

1絵で見る

横に送って見られます

1 / 9

財布の1万円札は、日本銀行の借り

日本銀行が法律で独占して出す紙

2 / 9

口座の1万円は、銀行があなたに負っている借り

額面は同じでも、借りの相手が違う

3 / 9

銀行がローンを貸すと、借り手の口座に預金が書き込まれる

貸出が預金を作り、返すと消える

4 / 9

銀行が倒れても、利息のつく預金は元本1,000万円と利息まで守られる

1金融機関・1人ごと。決済用の預金は全額、外貨預金は対象外

5 / 9

2026年7月31日

日本銀行が動かしているのは、主に金利

1.0%

銀行どうしが翌営業日まで貸し借りする金利の目安

6 / 9

金利が上がると、借りる人も貯める人も、利息が増える

借りる人は払う利息が、貯める人は受け取る利息が

7 / 9

2026年3月末

国の借り(国債)の、いちばん大きな持ち手は日本銀行

42.2%

日本銀行が持つ割合(時価)

8 / 9

2025年

物価は「買い物かごの値段」。前の年より上がった

3.2%

日本の消費者物価(総合)

9 / 9

1万円をドルに。1ドル80円なら125ドル、125円なら80ドル

数が小さいほど円高

2数字で見る

79%

英国のお金のうち、銀行預金の割合(2019年・英国の値)

銀行券と硬貨3%
銀行が中央銀行に持つ口座18%
銀行預金79%

125ドル

1万円を1ドル=80円で替えたとき。レートで受け取るドルが変わる

1ドル=80円125ドル
1ドル=100円100ドル
1ドル=125円80ドル

3あなたならどうする?

財布の1万円札と、銀行口座の1万円。どちらも1万円です。この二つは、同じお金でしょうか?

選んでみてください

まったく同じお金

額面は同じです。でも、財布の1万円札は日本銀行の借り、口座の1万円は銀行があなたに負っている借りです。借りの相手が違います。

借りの相手が違うお金

その通りです。札は日本銀行の借り、口座の残高は銀行の借り。だから銀行が倒れたときのために、預金を守る線(利息のつく預金は元本1,000万円と利息まで)があります。

4くわしく読む

本文をくわしく読む ↓

ある家族が、銀行で住宅ローンを組んで家を買うとします。

ローンが実行された瞬間、家族の口座に、借りた額の預金が書き込まれます。誰かの預金を取り崩して渡したのではありません。貸出(銀行の資産)と預金(銀行の負債)が、帳簿の上で同時に生まれます。イングランド銀行は2014年の論文で、「銀行は預金を集めて貸している」という説明を誤解だと書きました。

次に、家族はその預金で代金を払います。売り手の口座は、別の銀行にあることが多い。預金は売り手の銀行へ移り、買い手の銀行は中央銀行に持つ口座のお金(準備)を渡して決済します。貸すたびに準備が出ていけば、銀行はすぐに払えなくなります。そこで銀行は、預金の金利を上げて預金を集めたり、他の銀行から借りたりして、資金をつなぎます。その費用は貸出の金利と比べられ、どちらの金利も中央銀行の政策金利に左右されます。

貸出が預金を作ることと、銀行がいくらでも貸せることは、別の話です。 前者は帳簿の順序、後者は支払いと資金の制約です。

この講座は、この一件の住宅ローンから始めて、財布のお金と口座のお金、預金を守る線、中央銀行の金利、国債、物価、為替へと進みます。

再現画銀行・金利・物価のしくみ — 講座の口絵

この講座で、分かるようになること

  • 財布の紙幣と口座の残高を、誰の借りかで言い分けられる。
  • 銀行の貸出が預金を作る順序を、自分の言葉で説明できる。
  • 中央銀行が動かす金利と物価の目標を、時点つきの数で言える。
詳しい案内

講座の番号:P4 — 銀行は預金を貸しているのか

監修: 葉山 満

本文のほかに、演習6問・コイン2点・読む教材3件 所要時間の出し方

ほかに分かること

  • ニュースの「利上げ」「円安」を、自分の家計への道筋に置き換えられる。

この講座は、ほかの講座を読まなくても始められます。

出典の確かめ方を詳しく知りたい方へ(任意)

評価方法

講座内の演習6問(確認4・比較0・記述2)。到達は自己評価で記録します。

この講座の8つの章
  1. 財布のお金と口座のお金 — 誰の借りか紙幣は中央銀行の借り、口座の残高は銀行の借り。額面が同じでも、相手が違う。
  2. 銀行は預金を貸しているのか貸出が預金を作る。支払いで預金は他の銀行へ移り、銀行は資金をつなぐ。最後に効くのは中央銀行の金利。
  3. 銀行が倒れたら — 預金を守る線預金保険は自動で成立。利息のつく預金の線は1金融機関・1人・元本1,000万円と利息(決済用の預金は全額・外貨預金は対象外)。線の高さは国で違う。
  4. 中央銀行は何をしているか — 金利を動かす中央銀行が動かすのは金利。目標は物価2パーセント。数には日付がつく。
  5. 国債 — 国の借りは、誰の資産か国債は国の借りで、持つ側の資産。最大の持ち手は日本銀行。家計は預金と保険の先で間接に持つ。
  6. 物価 — 籠の値段を測る物価は籠の値段。数には時点と基準年を添える。自分の籠は平均と違う。
  7. 為替と生活 — 円高・円安を財布で読む為替は交換比率。1万円 ÷ レート=受け取るドル。数が小さいほど円高。
  8. ニュースの一行を、仕組みの上に置くどのお金が・誰の借りが・数の時点は・自分のどこに。四つの問いで一行を読む。
読む教材(3)
  • 1907年恐慌 アメリカ 1907年10月 ニューヨーク、信託会社の窓口
    第3節。1907年の取り付け。預金が銀行の借りであることを、列の側から
  • インフレの歴史 総論・世界 現代 予防接種
    第4節。ボルカーの利上げ。金利という一つの数が、家計と工場の両側に効く
  • 飢饉と打ちこわし 日本 1787年 江戸と大坂
    第6節。百文で買える米。物価を籠で測る発想の、江戸の形

次に読む

現金・カード・デジタルのお金 →

次に分かること:財布の現金・口座の預金・カード・電子マネー・暗号資産を、誰の負債かで言い分けられる。

本文を読む目安:約10分 / 読める範囲:講座の入口と目次は無料・本文は購入された方向け

料金のご案内

講座の本文と図解の本、国ごとの物語をすべて読めて、貨幣学検定も受けられます。

料金を見る →