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金という一つの約束

紙のお札は、いつでも決まった量の金と引き換えられる。十九世紀の世界が信じたこの約束は、皆が同時に疑わないことを前提にした仕組みでした。その前提は、戦争のたびに崩れます。

3分でわかる 金本位制

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横に送って見られます

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19世紀

世界が一つの約束に集まった。お札はいつでも金と換えられる

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各国がお金を金の重さで決めれば、国どうしの比率も決まる

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でも、刷ったお札の全額分の金は、どの国も持っていなかった

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全員が同時に金に換えに来たら、どの国も応じられない

皆が同時に疑わないことが前提の仕組み

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金の備えを超えて、お金を自由に増やしにくい縛りもあった

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1797年・1848年

戦争や恐慌のたびに、金と換える約束は止められた

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1910年3月

ギリシャは建国以来初めて、金と結んだお金に立った

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1914年まで

その安定は短かった。のちに黄金時代と呼ばれた

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4年間

ギリシャの金本位制の安定(1910年3月〜1914年)

3あなたならどうする?

19世紀のあなたの手元に、いつでも金と換えられるはずのお札があります。ある日、「銀行が危ない」という噂を聞きました。どうしますか?

選んでみてください

すぐに金に換えに行く

どの国も、お札の全額分の金は持っていませんでした。もし全員が同時に換えに来たら、どの国も応じられません。

疑わずに持っておく

金と換える約束は、換えに来る人が少ないほどうまく働きます。金本位制は、皆が同時に疑わないことを前提にした仕組みでした。

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2026-08-22 葉山 満 言葉の由来
総論・世界 機械と革命/金本位制

十九世紀、世界は一つの約束のもとに集まりました。金本位制です。紙のお札は、いつでも決まった量の金と、引き換えられる。この約束を支える仕組みは、どのようなものだったのでしょう。

金という物差し

金本位制は、通貨の値打ちを、一定量の金に結びつける制度です。各国が自国の通貨を金の重さで定めれば、通貨どうしの比率も自動的に決まります。国際的な物差しが、国どうしの交渉なしに揃うという利点がありました。

大英帝国の力を背景に、金に支えられた通貨が、地球をめぐったのです。金の裏づけがあるからこそ、人々は紙きれを信じました。

疑わないことが前提の仕組み

ただし、金の量と通貨の量が一対一で結ばれていたわけではありません。どの国も、発行した紙幣の全額ぶんの準備は持っていませんでした。つまり、出まわる通貨の量は、いつでも金より多かったのです。

紙が金と引き換えられるという約束は、引き換えに来る人が少ないほどうまく働きます。もし全員が同時に引き換えを求めたら、どの国も応じられません。金本位制とは、皆が同時に疑わないことを前提にした仕組みでした。

縛りと綻び

この仕組みには代償もありました。国内の都合で、通貨の量を自由に動かしにくいことです。不況でも戦争でも、金の備えを超えて通貨を増やせば、先に折れるのは兌換の約束のほうでした。

そして、その前提はたびたび崩れます。縛りが耐えられなくなれば、兌換のほうを止めることができました。一七九七年のイングランド銀行、一八四八年のフランス。戦争と恐慌のたびに、それは起きています。この制度が二度の大戦をはさんで崩れたのは、その硬さのためでした。

短い黄金時代

一方で、この制度にようやくたどり着いた国もあります。長い不換の季節を抜けたギリシャです。物価が落ち着き、紙のドラクマが値を戻した末、一九一〇年三月、法律三六四二号によって、建国以来初めて一貫した金本位制に立ちました。

この安定は一九一四年まで、四年間続きました。のちの人が黄金時代と呼ぶ、短い輝きです。

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