コインを調べ、記録する
写真を観察し、名前や年代の候補を比べ、調べた根拠を記録に残します。
本文を読む目安:約8分 / 本で詳しく読む目安:約75分
確認問題は任意です(この時間に含みません)
読める範囲:講座の入口と目次は無料・本文は購入された方向け
購入後は、使えるようになった時点から本文を読めます
3分でわかる 調べて書く作法
- 絵で見る
- 数字で見る
- あなたならどうする?
- くわしく読む
1絵で見る
横に送って見られます
1 / 8
調べる入口は目的で選ぶ。型・実物・出土・言葉
収録の数は動くので、行って確かめる
2 / 8
「まだ誰も言っていない」は、探した範囲と一緒に書く
範囲を書くのは、謙遜ではなく守り
3 / 8
元の言葉のままか、出所を示したか。この二つで線を引く
言い換えても、出所が無ければ剽窃
4 / 8
何かに名前を付けたら、その中身も同じ文書で決める
決めないと、名前だけが独り歩きする
5 / 8
1566年
物価はなぜ上がる?「見かけ」か「中身」かで争った
勝ち負けより、何を確かめれば決着するかを読む
6 / 8
1781年
王の家計を初めて公開。でも臨時の出費は載せなかった
載っていない欄こそが、雄弁だった
7 / 8
1858年
有名な「悪貨は良貨を駆逐する」の名は、ずっと後に付いた
出来事・名前・確かめ直しの年代を分けて書く
8 / 8
反対するときは、相手のいちばん強い形で書く
自分の物差しと、確かめられる予測を残す
2数字で見る
1858年
「悪貨は良貨を駆逐する」に、人の名の付いた法則という名前が与えられた年
3あなたならどうする?
本で読んだ内容を、自分の言葉に言い換えてレポートに書きました。出所は書いていません。このままでよいでしょうか?
選んでみてください
言い換えたので、このままでよい
実はこれも剽窃になります。借りたのは言葉ではなく、内容だからです。
読んだ本の出所を書き足す
これで「要約」になります。自分の言葉に直し、出所を示す。境目は、元の言葉のままか・出所を示したか、の二つだけです。
NOMISMA のすべての図に「出典」の欄があるのも、この作法のためです。
再現画
この講座で、分かるようになること
- 先行研究を探す入口を、目的に応じて選べる。
- 「まだ誰も言っていない」を確かめる手順を実行できる。
- 引用と要約と剽窃の境目を、自分の文章で判断できる。
この講座の本
『コインを調べ、記録する』
始めから終わりまで通して読む本。図版73点・読み終える目安 約75分
無料で試し読みできる範囲: 「第1課 観察 — 写真から言葉にする」
この本を試し読み →
本を読む →
詳しい案内
講座の番号:E9
監修: 葉山 満
本文のほかに、演習11問・コイン1点・読む教材10件・参考文献1件 所要時間の出し方
ほかに分かること
- 探した範囲を書き残すことの意味を説明できるようになる。
- 対立する説明を、どちらが強いかではなく、何を確かめれば決着するかで比べられる。
- 「何を載せなかったか」を明示する作法を、自分の文章に適用できる。
この講座は、ほかの講座を読まなくても始められます。
あわせて読むと、つながりが分かる講座(任意)
出典の確かめ方を詳しく知りたい方へ(任意)
評価方法
講座内の演習11問(確認7・比較0・記述4)。到達は自己評価で記録します。
この講座の8つの章
- 入口は、目的で選ぶ入口は目的で選ぶ。型/実物/出土/議論。動く数字は書かない。
- 「まだ誰も言っていない」を確かめる網羅は不可能。だから探した範囲を書く。範囲を書くのは謙遜ではなく防御。
- 引用・要約・剽窃の境目軸は二つだけ。元の言葉のままか/出所を示したか。言い換えても出所が無ければ剽窃。
- 名付けと、確かめられないこと名前が付くと議論しやすくなり、同時に中身が問われなくなる。名付けたら定義も置く。
- 論争の解剖 — 物価をめぐる三百年強い論争は「何を確かめれば決着するか」を残す。勝ち負けより、残された確かめ方を読む。
- 公開の作法 — 見せた黒字の、見せない空欄公開は革命的な作法。だが「何を載せなかったか」を書かない公開は、幻を刷る機械になる。
- 名前の考古学 — グレシャムとチューリップ法則の名も、バブルの物語も、後から鋳直されている。名前と中身の年代を分けて調べる。
- 反対の作法 — 強い相手の形で書く良い反対意見は、相手の最良の形を書き、自分の基準を明示し、検証できる予測を残す。
この講座で読む実例(10)
- グレシャムと改鋳 イギリス 1560〜1858年 ロンドンと後世の書斎
第4節。名前と法則が一致しない話。「歴史の綾」の続きを原文で - 「1873年の犯罪」 アメリカ 1870年代 アメリカ、西部と南部
第4節。名付けが政治になる場面。主張と反論の両方が書かれています - ニュートンの大改鋳 イギリス 1696年 ロンドン塔の造幣所
大改鋳。論争の記録がどう残ったかを見る材料です - 基軸の交代 イギリス 1944年 ブレトンウッズの会議場
ブレトンウッズ。自国に不利な構想を出した代表の記録です - 銀の世紀と物価革命 フランス 1566〜1568年 パリ高等法院の書斎
第5節。貨幣数量説の芽と、「ボダンが最初ではない」という留保まで含めて読んでください - ルイ16世と改革者たち フランス 1781年 パリの印刷所と書店
第6節。載っていない欄が最も雄弁——公開の作法の反面教師 - 錨の軋み アメリカ 1960年 ワシントン、議会
第8節。体制の設計図に書き込まれた欠陥を、議会で言葉にした警告 - 破産しました ギリシャ 1893年12月 議場の演壇
「残念ながら、我々は破産しました」という有名な一言は、議事録にも同時代の新聞にも見つかりません。拠り所が回想録ただ一冊だと分かるまでの、確かめ方の道筋です。 - 紙でない紙幣 中国 2014年〜 研究の始まった部屋
現在進行形の話を、どこで止めて書くか。研究の開始が二千十四年、試験の開始が二千十九年から二千二十年にかけて——確かめられる年だけを書くと決めた一段です。 - 戳記 メキシコ 17〜19世紀 世界の銀の流れ
三分の一前後とする研究と、四割を超えるとみる研究者。数字に大きな幅が残ったままでも、銀の流れの向きは言い切れるという書き方の実例です。
参考文献
- ANS Digital Library — American Numismatic Society 貨幣学の学位論文・オークション目録・電子書籍のオープンアクセス書庫。150年の刊行物を無料で読める
この講座の本文で参照した本と資料です。