NOMISMA

コインを集めた人々

王、学者、収集家が何を選び、どう残したのか。コレクションを人の側からたどります。

本文を読む目安:約6分
確認問題は任意です(この時間に含みません)
読める範囲:講座の入口と目次は無料・本文は購入された方向け
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3分でわかる コインを集めた人々

  1. 絵で見る
  2. 数字で見る
  3. あなたならどうする?
  4. くわしく読む

1絵で見る

横に送って見られます

1 / 9

信長は名物を集め、値を決め、家臣に配った

集める人・目利き・保証人を1人で兼ねた

2 / 9

力で決めた値は、その力が倒れると揺れる

名物の多くは散り、いくつかは失われた

3 / 9

1868年

スペインの大臣が、出回るお金を数えて記録した

97種類

目的は学問ではなく、改革の準備

4 / 9

1929年

400年前の役人の帳簿を、後の学者が数え直した

記録する手は、読み直す手を予見できない

5 / 9

いちばん多くを残したのは、名もなく埋めた人々

戻れなかった人の貯えが、土から出てくる

6 / 9

古銭商が磨いた。当時は善意、今は情報を消す行い

表面の古色や傷も、来歴の手がかり

7 / 9

多くの手が渡し続けて、古代の1枚が今ここにある

2400年

溶かさずに残す判断が、毎世代くり返された

8 / 9

記録する。来歴をつなぐ。手入れは最小にする

これからの集め手の作法

9 / 9

持ち主は、長い鎖の一時の保管者。あなたが次の輪

何を集めるかより、どう残すか

2数字で見る

2400年

古代ギリシアで刻まれた1枚の銀貨が、手渡されてきた時間

3役

信長が1人で兼ねた、集める人・目利き・値の保証人

3あなたならどうする?

あなたは古いコインを1枚手に入れました。表面が黒っぽく、土も少し付いています。どうしますか?

選んでみてください

磨いて、ぴかぴかにする

長いあいだ、それは善意の手入れでした。でも今は、表面の古色や摩耗の跡、土そのものが、来歴と本物かどうかの情報だと分かっています。磨くと、その情報は戻りません。

そのままにして、手に入れた日と経路を書き残す

この講座の作法そのものです。手入れは最小に、記録は最大に。あなたが書いた1行が、その1枚の来歴の新しい1行になります。

4くわしく読む

本文をくわしく読む ↓

再現画コインを集めた人々 — 講座の口絵

この講座で、分かるようになること

  • 収集者の系譜を、権力者・学者・無名の埋め手の三系統で語れる。
  • 「磨いた手」の過ちを、時代の基準の変化として説明できる。
  • 現存する古代貨幣が「手渡しの連鎖」の産物であることを説明できる。
詳しい案内

講座の番号:C14

監修: 葉山 満

本文のほかに、演習6問・コイン2点・読む教材8件・参考文献2件 所要時間の出し方

ほかに分かること

  • 現代の集め手の責任(記録・来歴・公開)を具体的に言える。

この講座は、ほかの講座を読まなくても始められます。

あわせて読むと、つながりが分かる講座(任意)

  • コイン収集の歴史
    分かること:収集の動機の三つの型(誇示・貯蔵・学問)を実例つきで説明できる。
    本文の第1・5・6節で、この講座に触れています。

出典の確かめ方を詳しく知りたい方へ(任意)

評価方法

講座内の演習6問(確認3・比較1・記述2)。到達は自己評価で記録します。

この講座の6つの章
  1. 値を決めた手 — 権力者の収集信長の名物狩りは、収集者が価値の保証人を兼ねた極点だった。
  2. 数えた手、読み直した手 — フィゲロラとハミルトン改革のために数えた蔵相と、四百年後に帳簿を集計した学者。学問の収集は二段構え。
  3. 名を残さぬ手 — 埋めた人々収集の最大の貢献者は、名も動機も残さなかった。無名の手の総量が、学問の土台。
  4. 磨いた手 — 善意の破壊の系譜EID MARは古銭商の手で磨かれた。当時の善意が、今の基準では情報の破壊だった。
  5. 二千四百年の手渡し — 現存という奇跡エウアイネトスの一枚が今ここにあるのは、無数の手が渡し続けたから。現存は連鎖の産物。
  6. 次の輪 — 現代の集め手の責任記録し、来歴を繋ぎ、いつか手放す。集め手は所有者ではなく、鎖の一時的な保管者。
読む教材(8)
  • 信長 日本 1570年代〜1582年 安土・京
    第1節。三役を兼ねた手の記録
  • 価格革命 スペイン 1503〜1660年 セビリャ、公式登録簿の書庫
    第2節。読み直す手の仕事。二段構えの後段
  • ローマの上陸 イギリス 後60〜61年 焼かれた属州の町
    第3節。動乱と埋蔵——名を残さぬ手の背景
  • 一枚の伝記 総論・世界 近代 発見と来歴
    第4・5節。磨いた手も含む、手渡しの連鎖の記録
  • シラクサ 総論・世界 現在 2400年後の対面
    第5節。二千四百年の現存という奇跡
  • 死んだ王の名で ギリシャ 前323〜前65年頃 大英博物館の型録
    集める仕事が、学者の型録という形をとった例です。王が玉座にあった歳月と、その名を掲げた型およそ四一〇〇種という数の、釣り合わなさを受け取ってください。
  • 皇帝と共和国 メキシコ 1821〜1824年 メキシコ市造幣所
    珍品とは何かを、収集の側から定義している停です。布告があってなお彫りの現場で揺れた鷲の首筋が、なぜ後世に探し求められるのかを読んでください。
  • 小銭が消えた イタリア 1970年代半ば バールのレジ
    集める行為が、市中から釣り銭を消す側に回った話です。収集家の退蔵は語られた説明の一つにすぎず、どれがどれだけ効いたかは分からないと断る——その断り方ごと読んでください。
参考文献
  • MANTIS — ANS collection database — American Numismatic Society 米国貨幣学協会の所蔵データベース(Numishare 基盤)。造幣所・退蔵銭・発見地からの検索と、地図・図表での可視化ができる
  • About the American Numismatic Society — American Numismatic Society 1858年創立の貨幣学協会。所蔵・図書館・刊行の体制についての自己記述

この講座の本文で参照した本と資料です。

次に読む

コインを美術として楽しむ →

次に分かること:貨幣美術の頂点(シラクサ・ブラクテアート・金貨の時代)を様式の言葉で語れる。

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講座の本文と図解の本、国ごとの物語をすべて読めて、貨幣学検定も受けられます。

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