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紙幣の信用が崩れたとき

紙幣が使われなくなるまでに何が起きたのか。制度を支えようとした人々の判断を読みます。

本文を読む目安:約8分
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3分でわかる 紙のお金が焼けるとき

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  2. 数字で見る
  3. あなたならどうする?
  4. くわしく読む

1絵で見る

横に送って見られます

1 / 9

13世紀

元の皇帝は、国じゅうのお金を紙幣だけにした

ただの紙が、金と同じ値打ちで通用した

2 / 9

国の財布が苦しくなると、紙幣を刷り増した

100年近く立派に働いたあとのこと

3 / 9

1720年

パリでは、株を支えるために刷り増した紙が崩れた

崩れた記憶は、次の失敗を防がなかった

4 / 9

1923年1月

働かずに抵抗する人の賃金を、印刷機で払った

外国の軍隊が工業地帯に入った

5 / 9

1923年11月

物価は日に2度も上がり、朝と夕方で値段が違った

4兆2000億マルク

1ドルの公式の率

6 / 9

1923年11月15日

新しいお金、レンテンマルクが静かに現れた

1 = 1兆

古いマルク1兆と交換

7 / 9

効いたのは「もう刷らない」という約束だった

焼けた紙も立った紙も、物としては同じ紙

8 / 9

2008年

ジンバブエで、火事はまた起きた

年率で兆のさらに億倍の物価上昇

9 / 9

刷る役目を国から切り離し、物価の目標を公に掲げる

痛みの記憶から生まれた、今の防火壁

2数字で見る

15時間

1946年のハンガリーで、物価が2倍になるまでの時間

1兆マルク

新しいお金1枚と換えた、古い紙のマルクの額

3あなたならどうする?

あなたは1923年秋のドイツに住んでいます。新しい紙のお金が出ました。見た目は、前と同じ印刷された紙です。どうしますか?

選んでみてください

どうせ紙だから信じない

焼けたマルクも、立ったレンテンマルクも、物としては同じ紙でした。分けたのは紙ではなく、約束のほうです。

「もう刷らない」と信じられたら使う

実際にそうなりました。発行は絞られ、政府は打ち出の小槌を取り上げられました。人々がそう信じた瞬間、紙はお金に戻りました。

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再現画紙幣の信用が崩れたとき — 講座の口絵

この講座で、分かるようになること

  • 紙幣が値を失う場面で、実際に何が失われたのかを説明できる。
  • 刷りすぎが起きる仕組みを、政府の側の事情から説明できる。
  • レンテンマルクが効いた理由を、担保と約束に分けて説明できる。
詳しい案内

講座の番号:C12

監修: 葉山 満

本文のほかに、演習11問・コイン5点・読む教材15件・参考文献1件 所要時間の出し方

ほかに分かること

  • 同じ形が七百年のあいだに繰り返された理由を言える。
  • マンダ・テリトリアルの失敗を「二枚目の紙」の構造として説明できる。
  • 戦後の通貨清算(リーフティンク・新円)を「劇薬の処方」として比較できる。

この講座は、ほかの講座を読まなくても始められます。

あわせて読むと、つながりが分かる講座(任意)

出典の確かめ方を詳しく知りたい方へ(任意)

評価方法

講座内の演習11問(確認7・比較1・記述3)。到達は自己評価で記録します。

この講座の8つの章
  1. 最初に焼けたのは、中国だった紙幣は百年働いてから焼けた。素材ではなく、刷る側の事情が変わったときに焼ける。
  2. 二度目は、パリだった株を支えるために刷り増した紙は、崩れた。そして、崩れた記憶は次を防がない。
  3. 印刷機が、武器になった年刷りすぎは原因ではなく途中。なぜ刷らざるを得なかったかを見ないと、止め方も見えない。
  4. 火の消し方 — 物ではなく、約束紙を立たせるのは物ではなく約束。焼けるのも紙ではなく約束のほう。
  5. 道具を焼く儀式 — 二枚目の紙の失敗銅版を人前で焼いても、二枚目の紙は初日から暴落した。儀式は信用を作れない。
  6. 劇薬の処方箋 — リーフティンクと新円全紙幣の無効と預金封鎖。一週間を十グルデン札一枚で。戦後の清算は人の名で行われた。
  7. 天文学の国 — ジンバブエと火の再来年率で兆のさらに億倍。最初の火から千年、火事はいまも過去のものではない。
  8. 火の予防 — 独立という防火壁発行を政府から切り離し、物価に目標を置く。人類が火事から学んだ、現在の防火設計。
読む教材(15)
  • 元 大都 総論・世界 東方の貨幣文明 後1260年
    第1節。紙幣だけの経済が現れる場面です
  • 交鈔の暴走 総論・世界 東方の貨幣文明 後1287年
    第1節。その終わり。⚠「紙幣だから」で読まないでください
  • パリ、ヴィヴィエンヌ街 フランス ジョン・ローの泡 1716〜1719年
    第2節。ローが銀行を作る場面
  • パリ、王立銀行 フランス ジョン・ローの泡 1720年
    第2節。なぜ崩れたのかが書かれています
  • ルイ十五世治下のフランス フランス ジョン・ローの泡 1720〜1789年
    第2節。崩れたあとに残った、紙への長い不信
  • ルール占領 ドイツ 1923年 ベルリン、紙幣印刷所
    第3節。この講座の中心。なぜ刷ったのかが書かれています
  • 一九二三年秋 ドイツ 1923年秋 街角、買い出しの道
    第3節。手押し車の写真。⚠ 写真が何を写していないかも考えてください
  • ドイツの農地と工場 ドイツ レンテンマルクの奇跡 1923年11月15日
    第4節。担保が土地であることの不思議さ
  • 朝の市場、新しい紙 ドイツ レンテンマルクの奇跡 1923〜1924年
    第4節。種明かし。物ではなく約束だったという一節です
  • 史上最悪ペンゲー 総論・世界 インフレの歴史 後1946年
    第4節。史上最悪の記録。数字の名前が足りなくなります
  • 刷りすぎた紙 フランス 1796〜1797年 パリ ヴァンドーム広場
    第5節。儀式では信用は作れない。二枚目の紙の記録
  • 十グルデンの一週間 オランダ 1945年9月 解放後の街、配給の窓口
    第6節。十グルデン札一枚の一週間。劇薬に残った人の名
  • 百兆ドル紙幣 総論・世界 インフレの歴史 後2008年
    第7節。火はいまも過去のものではない
  • 予防接種 総論・世界 インフレの歴史 現代
    第8節。千年の火事から人類が学んだ設計図
  • 金貨だけが物差し ギリシャ 1944年10月 後世の研究室
    火の大きさを、速さ・古典の中の位置・長さという三つの物差しで測り直した停です。順位が物差しごとに入れ替わることを見てから、他の停の「史上最悪」を読み直してください。
参考文献
  • Inflation – lessons learnt from history — Deutsche Bundesbank 1923年のハイパーインフレーションについての中央銀行自身の記述。通貨が一般的な支払手段・価値保蔵手段として機能しなくなり、1923年11月にレンテンマルクへ置き換えられた

この講座の本文で参照した本と資料です。

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次に分かること:一つの事件を最初の一場面から最後まで読み、何が起きたか・なぜ広がったか・暮らしにどう届いたかを、自分の言葉で説明できる。

本文を読む目安:約7分 / 読める範囲:講座の入口と目次は無料・本文は購入された方向け

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講座の本文と図解の本、国ごとの物語をすべて読めて、貨幣学検定も受けられます。

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