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物価はなぜ上がるのか

お金の量、物の供給、制度への信用を手がかりに、歴史上の物価上昇を読みます。

本文を読む目安:約8分
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3分でわかる 物価が上がるわけ

  1. 絵で見る
  2. 数字で見る
  3. あなたならどうする?
  4. くわしく読む

1絵で見る

横に送って見られます

1 / 8

16世紀 フランス

物価が上がりつづけ、人々は理由を考えはじめた

「お金の中身が減った」説と「お金の量が増えた」説

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1503〜1660年

新大陸から、たくさんの銀がスペインへ運ばれた

1万6886トン

記録に残る銀。こっそり運んだ分は入っていない

3 / 8

16世紀の100年

物価は100年で三〜4倍に。1年ずつでは気づけない速さ

年に1.1〜1.4パーセント

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1923年 ドイツ

ストライキ中の働き手に払うため、政府は札を刷り増した

目的があって刷るほど、止めにくい

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1923年秋

朝と夕方で値段が違う。給料は日払いになった

受け取ったら、その足で店へ走った

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値段を法で縛った時代

値段を凍らせても、上がる力は消えずに溜まっていく

あとで預金の封鎖と新しい札で清算された

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1948年6月

お金が新しくなった翌朝、空っぽの棚に品物が並んだ

品物はずっとあった。店に出ていなかっただけ

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1979年 アメリカ

金利を一時2割前後に。痛みに耐えて物価を抑えた

政治から独立した中央銀行が、痛みを引き受けた

2数字で見る

三〜四倍

16世紀の100年間で、西ヨーロッパの物価が上がった幅

2割前後

1979年からの荒療治で、一時引き上げた政策金利

3あなたならどうする?

あなたは店主です。倉庫には品物がありますが、手に入るのは紙くず同然のお金だけ。品物を店に出しますか?

選んでみてください

店に出して売る

当時、そうする人はほとんどいませんでした。紙くず同然の紙幣と引き換えに、モノを手放したい人はいなかったのです。

倉庫にしまっておく

多くの人がそうしました。だから棚は空でした。お金が新しくなった翌朝、しまわれていた品物が店に並びました。

4くわしく読む

本文をくわしく読む ↓

再現画物価はなぜ上がるのか — 講座の口絵

この講座で、分かるようになること

  • インフレの原因として挙がる二つの説明を、区別して述べられる。
  • 止まったインフレの事例から、何が効いたのかを取り出せる。
  • 「物が足りない」と「貨幣が信じられない」を、店頭の景色から区別できる。
詳しい案内

講座の番号:B15

監修: 葉山 満

本文のほかに、演習10問・読む教材11件・参考文献2件 所要時間の出し方

ほかに分かること

  • インフレの記録に出てくる数字を、どこまで信じるか決められる。
  • 価格革命を「百年で四倍=年一・四パーセント」という実測値で説明できる。
  • 抑圧インフレ(統制下の見えないインフレ)と、その清算の型を説明できる。

この講座は、ほかの講座を読まなくても始められます。

あわせて読むと、つながりが分かる講座(任意)

出典の確かめ方を詳しく知りたい方へ(任意)

評価方法

講座内の演習10問(確認7・比較0・記述3)。到達は自己評価で記録します。

この講座の8つの章
  1. 五百年前に、すでに議論があった「中身が減った」と「量が増えた」は別の説明。どちらで語られているかを見分ける。
  2. 印刷機が武器になった瞬間インフレは無策で起きるとは限らない。目的があって刷るほど、止めるのは難しい。
  3. 棚が空だったのは、物不足ではなかった棚が空でも、物不足と信用不足は別。信用不足なら翌朝に戻る。
  4. 止め方には、いくつかの型がある止め方は三つ(切り替え/金利/発行の分離)。どれも効くが、どれも再発を防ぎきらない。
  5. ゆっくり来た革命 — 百年で三〜四倍価格革命は年一・一〜一・四パーセント。暮らしでは気づけない速さが、一生より長い尺度で世界を変えた。
  6. 一日に二度の値札 — 貨幣が壊れる音月給が意味を失い、賃金は日払いに。貯めるという言葉が消えた世界の暮らしの記録。
  7. 凍らせ、堰き止める — 見えないインフレ統制で値札を凍らせてもインフレは消えず、堰の内側に溜まる。清算は封鎖と新券で来る。
  8. ボルカーの冬 — 治療の実演と、その条件金の裏づけなしに紙の価値は守れるか。答えは「守れる。ただし痛みと独立が要る」。
読む教材(11)
  • 銀の世紀と物価革命 フランス 1566〜1568年 パリ高等法院の書斎
    第1節。五百年前の論争。見かけか実質かという論点を原文で
  • ルール占領 ドイツ 1923年 ベルリン、紙幣印刷所
    第2節。なぜ刷らなければならなかったのかが、最も明快に書かれています
  • 一九四八年六月二〇日 ドイツ 1948年6月 西側占領地区の商店街
    第3節。棚が空だった理由。物不足ではないと説明されています
  • ワシントン、連邦準備制度理事会 アメリカ 大インフレとボルカーの冬 1979年〜
    止め方②の実例。金利で止めるとき、何が起きるかが書かれています
  • 価格革命 スペイン 1501〜1600年 カスティーリャの町
    第5節。「革命」の名とは裏腹の年一・四パーセント。実測の凄み
  • 一九二三年秋 ドイツ 1923年秋 工場の門前、給料日
    第6節。貨幣が壊れていく音。暮らしの高さからの記録
  • 見えない借金 ドイツ 1933〜1945年 統制の街、凍った値札
    第7節。同じ堤をもう一度築いた国の記録
  • 中央銀行という制度 アメリカ 大インフレとボルカーの冬 1980年代
    第8節。「守れる。ただし、条件がある」——実験の答えの全文
  • 金貨だけが物差し ギリシャ 1943〜1944年 闇の両替市
    物価が壊れた国で連続して残った記録は、公式の統計ではなく金貨ソブリンのドラクマ建て相場だけでした。何で測るのかという問いを、闇の両替市の建値から考えてください。
  • 六倍の物価 韓国 1866〜1867年 俸給の列
    百文の顔をした銭が、使うときには五、六文分でしか通らない。その差額を誰が払ったのかを名指しする、議会も告知も経ない税の実例です。
  • 小銭が消えた イタリア 1970年代 労使の交渉卓
    物価に合わせて賃金が自動で上がる仕組みは、格差を縮める装置であると同時に、インフレを固定化する方向に働いたとされます。一つの設計が持つ二つの顔を見てください。
参考文献

この講座の本文で参照した本と資料です。

次に読む

お金の判断と心のくせ →

次に分かること:損失回避・現在バイアス・群れ・権威への弱さの四つを、自分の行動の例で言い分けられる。

本文を読む目安:約11分 / 読める範囲:講座の入口と目次は無料・本文は購入された方向け

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講座の本文と図解の本、国ごとの物語をすべて読めて、貨幣学検定も受けられます。

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