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銀行と信用の歴史

知らない相手と取引し、遠くへ支払う。 そのとき誰かが相手を確かめ、払えなかったときを引き受けています。

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3分でわかる 銀行と信用

  1. 絵で見る
  2. 数字で見る
  3. あなたならどうする?
  4. くわしく読む

1絵で見る

横に送って見られます

1 / 9

知らない相手と取引するたびに、相手を調べるのは大変

調べる費用が、もうけを超えてしまう

2 / 9

銀行が相手を調べ、銀行の名前で保証してくれる

調べる手間は消えたのではなく、移されただけ

3 / 9

イングランド

王が代わっても、ペニー銀貨の王の名は変えなかった

信用の宛先が、王から「この型の銀貨」へ移った

4 / 9

ヴェネツィア

両替商の机バンコが銀行の語源。壊された机は破産の語源

払えなくなった両替商の机は打ち壊された

5 / 9

1609年 アムステルダム

硬貨を動かさず、帳簿の書き換えだけで支払った

今の銀行振込のもと

6 / 9

1694年

戦争のお金を国に貸すために、イングランド銀行ができた

国の借金(国債)と中央銀行は双子として生まれた

7 / 9

1931年 ロンドン

みんなが引き出すなら自分も早く。取り付けは止まらない

1人ひとりの判断が正しいから止まらない

8 / 9

1907年 アメリカ

恐慌を鎮めたのは、70歳の1人の銀行家だった

役職も法の力も無い1人が、中央銀行の代わりをした

9 / 9

1933年3月

大統領がラジオで語りかけ、預金が銀行に戻りはじめた

信頼は、仕組みだけでなく言葉からも作られる

2数字で見る

394件

教材で信用の話が出てくる場面の数。主題の中でいちばん多い

信用394件
戦争と貨幣316件

219年

イングランド銀行から、アメリカの今の中央銀行ができるまでの差

3あなたならどうする?

1931年のロンドン。「みんなが紙のポンドを金に替えに行っている」と聞きました。窓口では「落ち着いてください」と言われます。どうしますか?

選んでみてください

急いで替えに行く

1人ひとりにとっては正しい判断でした。遅れれば実際に受け取れないからです。だから取り付けは止まりません。

落ち着いて待つ

呼びかけでは止まりませんでした。落ち着いたほうが損をするからです。止める方法は、窓口を閉じるか、もっと大きな誰かが保証するかの二つです。

4くわしく読む

本文をくわしく読む ↓

1531年、アントウェルペンに常設の取引所が建ちました。

掲げられた献辞は、こう伝えられています。

あらゆる国、あらゆる言語の商人の用のために

この一行が、信用というものの本質を言い当てています。

知らない相手と、言葉も通じないまま、取引ができる——そういう場を作る、ということです。

信用が無ければ、取引のたびに相手を確かめなければなりません。

相手の資産、相手の評判、相手の国。全部を確かめてから、やっと売る。

信用があると、この確認を自分で毎回しなくて済みます。けれど、確認が消えるわけではありません。

誰かが代わりに相手を確かめ、誰かが「払えなかったときは引き受ける」と約束しています。

取引所では、その場に入れる者だけが取引します。銀行は貸す相手を調べ、自分の名前で支払いを約束します。銀行券を受け取る人は、相手ではなく銀行の名前を見ます。その銀行を、さらに中央銀行が支えます。

信用とは、確認と保証を誰かが引き受けることで、知らない相手と取引できる状態のことです。

引き受けた側が確かめるのをやめたとき、あるいは払えなくなったとき、崩れます。

再現画銀行と信用の歴史 — 講座の口絵

この講座で、分かるようになること

  • 「信用がある」を、具体的な取引の動作として言い換えられる。
  • 取引所・銀行券・中央銀行が、どんな不便を解いたのかをそれぞれ言える。
  • 取り付けが起きる仕組みを説明できる。

この講座の本

『銀行と信用の歴史』

始めから終わりまで通して読む本。図版22点・読み終える目安 約50分

無料で試し読みできる範囲: 「肩代わりの階段 — 取引所から中央銀行まで」

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詳しい案内

講座の番号:B12

監修: 葉山 満

本文のほかに、演習10問・読む教材11件・参考文献4件 所要時間の出し方

ほかに分かること

  • 信用が国境を越えて崩れる経路を、実例でたどれるようになる。
  • 銀行の語源から複式簿記・帳簿決済まで、初期銀行業の道具立てを説明できる。
  • 「最後の貸し手」の欠如・私人による代行・制度化・機能不全を年表で語れる。

この講座は、ほかの講座を読まなくても始められます。

あわせて読むと、つながりが分かる講座(任意)

出典の確かめ方を詳しく知りたい方へ(任意)

評価方法

講座内の演習10問(確認7・比較0・記述3)。到達は自己評価で記録します。

この講座の8つの章
  1. 信用は、確認と保証の肩代わり信用とは、確認と保証を誰かが引き受けること。確認は消えたのではなく、移されている。
  2. 名前が固定されると、それは制度になる個人の名が固定されて型の名になったとき、貨幣は制度になる。
  3. 取り付けは、正しい判断の集まりで起きる取り付けは非合理では起きない。個々が合理的だからこそ止まらない。
  4. 八編すべてで、いちばん厚い主題貨幣史は金属の話であるより信用の話。ただし件数には、書き手の関心という偏りも入る。
  5. バンコという机 — 銀行の言葉の生まれた場所銀行は机、破産は壊れた机。言葉の来歴に、初期銀行業の道具立てが全部詰まっている。
  6. 戦争が生んだ番人 — イングランド銀行国債と中央銀行は双子として生まれた。国家の信用がお金を生む仕組みの原型。
  7. 二度殺された中央銀行 — アメリカの百二十年作って、殺し、作って、殺し、火事で思い知り、三度目は「恐れを構造にした」形で建てた。
  8. 最後の貸し手 — いない冬、いた朝制度が在ることと、機能することは別。最後の貸し手は建物ではなく、判断と言葉で立つ。
この講座で読む実例(11)
  • アントウェルペンの世紀 オランダ 1531年 アントウェルペン、新取引所
    第1節。「あらゆる国、あらゆる言語の商人の用のために」の献辞を原文で
  • スターリングの名 イギリス 1180年〜 イングランドの市場
    第2節。王が代替わりしても銘が変わらなかった話です
  • 一九三一 イギリス 1931年 ロンドン・シティ
    第3節。取り付けが国境を越える場面を確かめてください
  • チャーチルの誤り イギリス 1925年 ロンドン・書斎
    ケインズが蔵相を名指しで批判した小冊子。信用の判断が誰の手にあったかを考える材料です
  • イタリア 総論・世界 後14世紀 バンコと破産
    第5節。バンコとバンカ・ロッタ。銀行の言葉の生まれた机
  • 金融の誕生 総論・世界 後1694年 イングランド銀行
    第6節。国債と中央銀行が双子として生まれた記録
  • 1907年恐慌 アメリカ 1907年 ニューヨーク、モルガンの書斎
    第7節。書斎の灯りの下で、私人が国の金融の運命を裁いた夜
  • 1929 アメリカ 1930〜1933年 連邦準備制度
    第8節。「あなた方が正しい、我々がやった、二度とやらない」
  • 机が、銀行になった ギリシャ 前377〜前373年 デロスのアポロン聖域
    神殿もまた銀行だった時代の帳簿です。年に一割の定率で貸し出し、十三の都市国家が借り入れた記録が、石に刻まれて残っています
  • 現金を運ばずに払う インド 17〜18世紀 両替の店
    両替商が手形を振り出し、預金を受け、遠くへ送っていました。ヨーロッパで銀行が形を整えていくのと同じ時代に、別の場所で、同じ必要から似た仕組みが育った記録です
  • 預けた鍵 トルコ 1863年〜 銀行の金庫室
    発券という主権の鍵を、三十年の約束で外国資本の銀行に預けた国の記録です。同じ十九世紀に自前の国家銀行を建てた隣国と並べて、信用を輸入する代わりに何を担保へ入れたのかを読んでください
参考文献

この講座の本文で参照した本と資料です。

次に読む

国境を越えて使われたお金 →

次に分かること:国際通貨になる条件を三つ挙げられる。

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講座の本文と図解の本、国ごとの物語をすべて読めて、貨幣学検定も受けられます。

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