NOMISMA SCHOLA

ウィリアム三世のクラウン銀貨

1696年 ・  ・ 十七世紀 ・ ロンドン塔造幣所

ウィリアム三世のクラウン銀貨(表)ウィリアム三世のクラウン銀貨(裏)
Portable Antiquities Scheme / CC BY 2.0(Wikimedia Commons)

千六百九十六年——削られ摩耗した旧ハンマー銀貨を、額面で回収して機械打ちに打ち直す「大改鋳」が始まった年のクラウン銀貨である。ロックの旧平価維持論に沿って進んだ巨費の国家事業。その現場の造幣局には、監事として着任したばかりのアイザック・ニュートンがいた。形の揃った機械打ちの縁は、クリッピングを一目で見破らせる。科学と機械が、貨幣の信用を作り直した年の一枚。