国とお金、そして自分
P5 — 税と年金と社会保険は、自分のお金とどうつながるか

国のお金の三つの入口——税・年金・保険。 仕組みは各国で違い、原理は共通です。自分の負担と受け取りを、制度の側から読みます。
監修: 葉山 満 / 本文の読了目安: およそ 10 分(本文 4,833 字・毎分500字で換算。演習と読む教材の時間は含みません) / 本文のほかに、演習 6 問・実物 2 点・読む教材 3 停
この科目で、できるようになること
- 税を所得・消費・資産の三つの局面に分け、自分が払っている税がどれに当たるかを言える。
- 公的年金の賦課方式と積立方式を言い分け、年金定期便の見込額を名目の額として読める。
- 医療と介護の窓口負担の割合と上限を、年齢と所得の区分から確かめられる。
- 財政・国債・為替のニュースを、自分の負担と受け取りに至る経路に置き換えられる。
レッスン(8節)
- 税の三つの入口 — 所得・消費・資産税は、誰が課すかと、どの局面で取るかの二つで分ける。局面は所得・消費・資産の三つ。
- 年金の仕組み — 賦課方式と積立方式日本の公的年金は賦課方式が基本。払った保険料は、今の受給者へ。自分の口座には積まれない。
- 保険料の実際 — 自分が払う率と額率だけでなく、分母と上限を見る。日本は標準報酬に一八・三パーセント、米国は上限までの稼ぎに一二・四パーセント。
- 受け取り始める年齢 — 繰上げと繰下げ受け取り始める年齢で、一生の率が決まる。日本は一か月ごとに〇・七パーセント増・〇・四パーセント減。
- 医療と介護の費用 — 窓口で払う割合窓口の割合は年齢と所得で決まり、月の上限がある。介護は四十歳から払い、原則一割負担。
- 財政と国債 — 歳出の四分の一は借金歳出一二二・三兆円のうち社会保障が三分の一、国債費が四分の一。歳入の四分の一は新しい借金。
- 為替が生活に来る経路 — 円高と円安円高は一円で買えるドルが多い状態。相場は需給で決まり、輸入品の値段と翌年の年金改定を通して家計に来る。
- 年金と物価 — 名目の額と実質の値打ち定期便の見込額は名目。改定率が物価の上昇率を下回れば、買える量は減る。マクロ経済スライドは名目を下げない。
読む教材(3)
- 西南戦争とインフレ 日本 1876年 東京
第二・三節。武士の禄を公債に替えた明治九年。利子で暮らせるかは、分母しだい - 刷りすぎた紙 フランス 1795年 パリ 街角
第八節。定まった年金で暮らす者が、紙の値下がりで損をした一七九五年 - 日清・日露の戦費 日本 1894〜1895年 東京 大蔵省
第六節。税で賄えない支出を国債で借りた、明治の財政
評価方法
科目内の演習 6 問(確認 4・比較 0・記述 2)。到達は自己評価で記録します。