判断力が変わる前に — 見守りの仕組みと相談先
自分や親の判断力が衰えたとき、お金の管理は誰がどう引き継ぐのか
使う場面 親の物忘れが増えたとき。自分の将来に備えたいと思ったとき。悪質商法の被害が心配なとき
この頁は日本の制度に沿った実技です。日本語でのみ提供しています。
認知症などで判断能力が不十分になると、財産の管理や介護の契約、遺産分割の協議を自分で行うのが難しくなります。不利益な契約を結んで悪質商法の被害にあうおそれもある、と法務省の頁は書いています。こうした方々を保護し支援するのが成年後見制度で、法定後見と任意後見の二つがあります。
任意後見 — 本人が決められるうちに
本人が十分な判断能力を持つ時に、任意後見人となる人と、任せる事務の内容を、公証人が作る公正証書の契約で決めておきます。判断能力が不十分になった後、家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立て、監督人が選ばれた時から契約が効力を持ちます。監督人には、親族ではなく弁護士や司法書士などの第三者が選ばれることが多いとあります。任意後見人は、本人が結んだ契約を取り消すことはできません。
法定後見 — 備えが無かった場合
本人の判断能力が不十分になった後に、家庭裁判所が成年後見人・保佐人・補助人を選任し、権限は基本的に法律で定められます。申し立てられるのは本人、配偶者、四親等内の親族、検察官、市町村長などです。
相談先
各市町村の地域包括支援センター、弁護士会、司法書士会と成年後見センター・リーガルサポート、法テラス、社会福祉士会、社会福祉協議会。申立ての手続・必要書類・費用は家庭裁判所です。法務省民事局参事官室の電話は 03-3580-4111 です。
自分の場合
自分の判断力が変わったとき、誰に何を任せたいか。本人が決められるうちにしか決められない問いです。2022 年の金融リテラシー調査は、高齢者の正答率は高いが、他の商品と比べるという行動をとる人の割合は高いとは限らない、と書いています。知識が残っても、比べる手間を省く癖が先に出ます。
手順
- まず相談する場所各市町村の地域包括支援センター
- 本人が決められるうちに任意後見契約(公証人が作る公正証書)。誰に、何を任せるか
- 判断力が不十分になった後家庭裁判所へ。任意後見監督人の選任、または法定後見の申立て
- 法律の相談法テラス、弁護士会、司法書士会。費用と手続きは家庭裁判所で確かめる
他の国では
米国では消費者金融保護局(CFPB)が、家族のお金を管理する人のための手引きを四つの役割ごとに出しています。委任状(power of attorney)で指名された人、裁判所が任命した後見人、生前信託の受託者、政府機関が任命した受給者代理人です。将来助けが要る場合に備える人向けの手引きもあります。本人が決められるうちに誰に何を任せるかを決めておく仕組みは、国を問いません。
出典(史料室)
- 成年後見制度・成年後見登記制度 Q&A — Q1〜Q2「成年後見制度について」法務省
- 成年後見制度・成年後見登記制度 Q&A — Q16〜Q20「任意後見制度について」法務省
- Managing someone else’s money (guides for financial caregivers)Consumer Financial Protection Bureau (CFPB)
- 金融リテラシー調査(2022年)調査結果金融広報中央委員会(現在は金融経済教育推進機構 J-FLEC が引き継ぐ。知るぽるとはアーカイブサイト)
- 法テラス トップページ法テラス(日本司法支援センター)
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