NOMISMA SCHOLA

コブ8レアル(マクキナ)

17世紀(フェリペ4世期) ・  ・ 十七世紀 ・ スペイン領の造幣所(打刻地は同定されていない)

コブ8レアル(マクキナ)(表)
Royal Institution of Cornwall, Anna Tyacke, 2016-02-25 15:58:29 / CC BY 2.0(Wikimedia Commons)

銀塊を切ってハンマーで刻印した、不定形の銀貨——コブ貨(マクキナ)の8レアルである。フェリペ4世の銘を持ち、イングランド南西部コーンウォールの遺物記録(FindID 769897)に登録された発掘個体で、海損の痕をとどめる。重さと品位が合えば形は問わない——「貨幣とは刻印された地金」の率直な表現であり、新大陸の造幣所はこの形で銀を貨幣に変え続けた。1649年に発覚したポトシ造幣所の大不正事件(品位の組織的偽装)が信用を揺るがすと、王権は責任者を厳罰に処し、1652年に意匠を「柱と波」型へ一新して立て直した——世界貨幣の生命線は、規格への信頼だった。コーンウォールの土から出たこの一枚は、8レアルが海を渡ってブリテンの岸まで達していたことの、物言わぬ証人である。