ボットドラーヘルのグロート銀貨
1389〜1402年(本品) ・ 銀 ・ 十四世紀 ・ フランドル伯領(フィリップ豪胆公)

兜をいただいて座る獅子——人々がボットドラーヘルと呼んだ、フランドルのグロート銀貨である。羊毛交易の大型化がペニー級の小さな銀貨では足りない支払いを生み、低地はグロ・トゥルノワにならう大型銀貨グロートの世界に入った。獅子のグロートはルイ・ド・マール期のフランドルに現れた型で、本品はブルゴーニュ家最初のフランドル伯フィリップ豪胆公が打たせた一枚。裏面には長十字と盾が刻まれる。隣邦の改悪が良貨を溶かして吸い寄せる——そんな悪鋳の連鎖が常態となった分立の世紀に、フランドルとブラバントの造幣競争の最前線を生きた貨幣である。