ユダヤ人の暮らしと金融の歴史
職業の制約、商業、徴税や貸付けの記録から、金融との関わりと語られ方を考えます。
本文を読む目安:約7分
確認問題は任意です(この時間に含みません)
読める範囲:講座の入口と目次は無料・本文は購入された方向け
購入後は、使えるようになった時点から本文を読めます
3分でわかる ユダヤ人と金融の歴史
- 絵で見る
- 数字で見る
- あなたならどうする?
- くわしく読む
1絵で見る
横に送って見られます
1 / 8
中世
教会は「時間は神のもの」として、利子を取ることを禁じた
時間で儲けるのは、神のものを盗むこと
2 / 8
中世
それでも貸す仕事は要る。その仕事がユダヤ人に押しつけられた
金融で生きることを強いられ、その富ゆえに憎まれた
3 / 8
1278年 イングランド
王に守られつつ重い税を課され、やがて大量に逮捕された
貨幣の縁を削った疑い。1290年に追放
4 / 8
16世紀の末〜
国の軍の物資や造幣、税集めが、特定の家に任された
君主が死ねば、その家の地位も危うくなった
5 / 8
1757年〜 フランクフルト
ロスチャイルド家のはじまりは、古いコインの商いだった
毎年、販売の目録を刷った
6 / 8
19世紀
各国の国債を引き受け、戦争のお金を動かした
国債を引き受けるとは、戦争の可否を握ること
7 / 8
1846年 パリ
「戦いの結果を先に知り大儲け」の話は、小冊子が出どころ
当時の手紙には、その大儲けは無い
8 / 8
いま
「世界で1番お金持ち」を支える統計は、無い
数を使うときは、年と国と分母を添える
2数字で見る
3000人を超える
多い時に、フランクフルトのユダヤ人街に住んでいた人の数
1846年
ワーテルローの噂が、パリの小冊子に刷られた年
3あなたならどうする?
「ある一家がワーテルローの戦いの結果を先に知り、大儲けした」という話を聞きました。どう受け止めますか?
選んでみてください
有名な話だから、本当だと思う
出どころは、1846年にパリで刷られた小冊子でした。家の文書館は当時の手紙から、その大儲けの裏づけが無いことを示しています。
まず出どころを探す
この講座の作法です。早い知らせで利益を得たことはあり得ます。けれど相場を動かした操作も、伝説の大儲けも、当時の資料には無いのです。
噂は、出どころを書いた瞬間に史料に変わります。年と媒体を言えるかどうかが、噂と史料を分けます。
再現画
この講座で、分かるようになること
- 中世の利子の禁止が、貸付という仕事を誰に押しつけたかを、史料の順で言える。
- 宮廷ユダヤ人と宮廷代理人が、絶対主義国家の財政で何を担ったかを、四つの役割で説明できる。
- ロスチャイルド家の起点が古銭の商いだったことを、文書館の年で辿れる。
詳しい案内
講座の番号:B20
監修: 葉山 満
本文のほかに、演習6問・読む教材3件 所要時間の出し方
ほかに分かること
- 「ワーテルローで財を成した」という話の出どころを、年と媒体で言い、噂と史料を分けられる。
この講座は、ほかの講座を読まなくても始められます。
出典の確かめ方を詳しく知りたい方へ(任意)
評価方法
講座内の演習6問(確認4・比較0・記述2)。到達は自己評価で記録します。
この講座の8つの章
- 時間は神のもの — 利子の禁止と、押しつけ利子の禁止は貸付を消さず、担う人を変えた。押しつけられた仕事が、憎まれる富の始まりだった。
- 読み書きの規範 — 職業が選ばれる読み書きの規範が都市の職業を選ばせた、という仮説がある。押しつけの説明と並べて読む。
- 王の庇護と搾取 — イングランド1278年庇護と重税は対だった。貨幣の純度を守る名目が、特定の人々に向いた年を、貨幣学は忘れない。
- 宮廷ユダヤ人 — 絶対主義国家の財政絶対主義国家は軍需・造幣・信用・徴税を特定の家に任せた。家の地位は、君主の寿命に頼っていた。
- ゲットーの古銭商 — フランクフルト1757年ロスチャイルド家の最初の商品は古銭だった。目録を信じた君主の信用が、金融の仕事へ広がった。
- 国債を引き受ける家 — 貸さなければ、戦えない国債を引き受ける家は、戦争の可否を握る。値段が毎日つく国債が、国の信用を数字にした。
- 噂の出どころ — ワーテルローと1846年の小冊子「ワーテルローで財を成した」の出どころは1846年の小冊子。噂は、出どころを書くと史料に変わる。
- いまの数 — 「世界で一番」を支える統計は無い「世界で一番」を支える統計は無い。在るのは年と国と分母の付いた数だけで、そう書く。
読む教材(3)
- 神と貨幣 総論・世界 中世 利子の禁止と迫害
第1節。中世の教会が利子を禁じ、貸付をユダヤ人に押しつけた構図。総論「神と貨幣」の停で - ロングクロスと追放 イギリス 11〜13世紀 ロンドンとイングランド各都市
第3節。ノルマン征服後の定住と王の庇護、1278年の大量逮捕。ポンド編の停で - 日清・日露の戦費 日本 1904年 ロンドン
第8節。1904年、ジェイコブ・シフと高橋是清の晩餐会。「席次は作られたものだった」— 伝説を史料で解いた例