貨幣と疫病・災害
F6 — 隣の学問

外からの一撃に、貨幣はどう応えたか。 飢饉の京、震災手形、失言の恐慌。ショックへの応答という反復を、日本の実例で解剖します。
監修: 葉山 満 / 本文の読了目安: およそ 7 分(本文 3,253 字・毎分500字で換算。演習と読む教材の時間は含みません) / 本文のほかに、演習 6 問・実物 3 点・読む教材 5 停
この科目で、できるようになること
- 飢饉の京の経済(施し・値段・路上)を史料から語れる。
- 寺社再建の財源としての貿易船(寺社造営料唐船)を説明できる。
- 震災手形の仕組みと「救済と付け替えの同居」を説明できる。
- 失言恐慌から「信用とは信じ込みである」構造を取り出せる。
レッスン(6節)
- 飢えた京 — 災害経済の最初の記録二年の飢渇を記したのは隠者の筆と僧の施し。災害の経済は、まず記録者を必要とした。
- 焼けた寺と貿易船 — 再建の財源という発明震災と火災で二度失われた建長寺は、貿易船で再建された。災害が国際交易を動かした。
- 震災手形 — 救済と付け替えの同居四億三千万円の手形の半分近くが焦げついた。制度の隙間に、震災前の不良債権が流れ込んだ。
- 失言の恐慌 — 信用という信じ込み潰れていない銀行が、潰れたと言われた翌日に潰れた。信用の正体が露出した三月。
- 救済の中の種 — 先送りという名の応答救済と先送りは同じ行いの別の名前。大正九年の傷が、七年後の恐慌として破裂した。
- 応答の型 — 一撃の後に選べること記録し、財源を発明し、救済の隙間を測り、原因と引き金を分ける。応答の型は学べる。
読む教材(5)
- 応仁の乱と銭 日本 1459〜1461年 京 六角堂
第1節。願阿弥の施行。信仰のネットワークという最初の保険 - 海を渡る銭 日本 1325〜1326年 鎌倉 建長寺
第2節。二度失われた寺と、再建の貿易船 - 大戦景気と震災・恐慌 日本 1923〜1926年 東京 日本銀行
第3節。救済と付け替えの同居。数字ごと読む - 大戦景気と震災・恐慌 日本 1927年 東京
第4節。「漏れていたガスに引火させた」——原因と引き金の区別 - 大戦景気と震災・恐慌 日本 1920年 東京 兜町
第5節。「救済と先送りは、同じ行いの別の名前でした」
評価方法
科目内の演習 6 問(確認 4・比較 1・記述 1)。到達は自己評価で記録します。