1658年 ・ 銀 ・ 十七世紀 ・ ロンドン
チャールズ一世を処刑した国が、王のいない貨幣を模索した時代。その果てに現れた、護国卿オリバー・クロムウェルの肖像貨である。月桂冠をいただくローマ皇帝風の胸像に、OLIVAR D G R ANG SCO HIB &c PRO の銘。王を廃した男が、王のような姿で銀に刻まれた。王政復古とともにこの貨幣の時代は終わるが、「貨幣は主権者を映す鏡」であることを、これほど雄弁に語る一枚は少ない。