NOMISMA SCHOLA

銀のカロルスグルデン

1543年〜 ・  ・ 十六世紀 ・ ハプスブルク領低地

銀のカロルスグルデン(表)銀のカロルスグルデン(裏)
Unknown / Public domain(Wikimedia Commons)

冠をいただくカール五世の胸像に、CAROLVS——皇帝にしてスペイン王の名。裏には王冠を戴くハプスブルクの盾と、DA MIHI——「汝の敵に立ち向かう力を我に与えよ」の祈りの銘が回る。1521年の貨幣布告で金のカロルスグルデンが二十ストイフェルで導入され(初鋳を1517年とする資料もある)、1543年からは同じ名の銀貨が加わった。本品はその銀のカロルスグルデンである。中欧の銀山と新大陸の銀が貨幣の重心を金から銀へ動かすなか、「金の」を語源とするグルデンが銀で打たれる——名が金属を離れ、単位として自立する転回を、この一枚が体現している。