SOURCE ROOM
Premodern Debasement: A Messy Affair(LSE Economic History Working Papers No. 270/2017)
Oliver Volckart — London School of Economics, Department of Economic History
この資料が支える主張
- 前近代の悪鋳は整然としたものではなく、情報費用の高さが造幣役人の監督を妨げ、役人が独自に悪鋳することがあった。市場を監視して規制を守らせることも不可能で、貨幣の名目価値を上げる型の悪鋳は市場相場に合うときしか効かなかった(要旨)
- 1551 年のカール 5 世の帝国通貨は 6 クロイツァー未満の小額貨を過大評価し、小額貨ばかりが打たれた。1559 年のアウクスブルク帝国議会は小額貨に十分な銀を含ませるよう求めたが、同年の法は逆に小額貨に銀を含ませすぎ、採算の取れる製造を不可能にした。ザクセン選帝侯のような法に従う諸侯は以後数十年小額貨を打たず、監督の弱い多くの造幣所が違法に悪鋳した。私的請負に貸し出され監督のない造幣所(Heckenmünzen)が悪い小額貨の過剰供給に寄与し、他の点では設計の良い帝国通貨の信用を損なった(pp.12–13、図 1)
- 16 世紀末〜17 世紀初めの帝国の共通通貨を掘り崩した悪い小額貨の氾濫は、名目上責任を負う支配者の監督なしに動く造幣所が出したものだった(p.21)
- 境界は貨幣の流れに対して多孔的で、15 世紀までに「貨幣の取引」が成立していた。隣国の貨幣の劣った模造を出すことは悪鋳と同じ効果を持ち、悪貨の流入を受けた側に自らの貨幣を悪鋳する誘因を作った。悪鋳は財政動機だけでなく防衛的でもあった(pp.16, 21–22)
- 政府は貨幣の価値を市場に対して固定できず、小額貨の悪鋳の通常の帰結は大額貨との「交換相場」の上昇だった(pp.14–15)
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