NOMISMA SCHOLA
SOURCE ROOM

The Financial Crisis Inquiry Report

Financial Crisis Inquiry Commission(米国、Government Publishing Office 掲載)

この資料が支える主張

  1. 結論: この危機は避けられた。金融規制と監督の広範な失敗、大手金融機関のガバナンスとリスク管理の失敗、過剰な借入と危険な投資と透明性の欠如、政府の準備不足、説明責任と倫理の崩壊
  2. 結論: 崩れた住宅ローンの融資基準と証券化のパイプラインが火をつけて広げた。各段階は次の段階の需要に依存し、誰も十分な自己負担を持たなかった。格付け会社のお墨付きなしには売れず、CDS がパイプラインに燃料を足した
  3. 結論: ファニーメイとフレディマックの証券は危機を通じて価値をおおむね保ち、両機関は寄与したが主因ではない
  4. 不透明で短期債務を抱えたシャドーバンキング・システムが伝統的な銀行と並ぶ規模に育ち、数兆ドルのレポ市場・オフバランス・店頭デリバティブが保護の外にあった
  5. 五大投資銀行は極めて薄い資本で営業し、借入の多くは翌日物で毎日更新、担保はサブプライム住宅ローン証券。レバレッジはデリバティブ・オフバランス・財務報告の化粧で隠れた
  6. 2008 年 9 月のリーマン破綻と AIG の危機で信用市場が止まった。報告書には反対意見(世界的資本移動を主因とする)も付く
  7. 冒頭(p.xv): 報告書の印刷時点で 2,600 万人超が失業・不完全就業・求職断念の状態、約 400 万世帯が差押えで家を失い、さらに 450 万世帯が差押え手続か深刻な延滞、家計資産は 11 兆ドル近くが失われた
  8. 結論(p.xvii): 金融部門の負債は 1978 年の 3 兆ドルから 2007 年の 36 兆ドルへ。2005 年に上位 10 行が業界資産の 55% を保有(1990 年の 2 倍超)。2006 年の金融部門の利益は全企業利益の 27%(1980 年は 15%)
  9. 結論(p.xix–xx): 2007 年時点で五大投資銀行のレバレッジは一つの物差しで 40 対 1。資産 3% 弱の下落で会社が消える。Bear Stearns は 2007 年末に資本 118 億ドル・負債 3,836 億ドルで、翌日物で最大 700 億ドルを借りていた。Fannie と Freddie の合算レバレッジは 2007 年末に 75 対 1。2001〜2007 年に世帯当たり住宅ローン負債は 91,500 ドルから 149,500 ドルへ 63% 超増えた。Lehman の商業・住宅不動産の保有は 2007 年末 1,110 億ドル(資本の 4 倍超)
  10. 結論(p.xxv–xxvi): 政府は AIG に 1,800 億ドル超を約した。Moody's は 2000〜2007 年に 45,000 近い住宅ローン関連証券を AAA に格付け(2006 年は毎営業日 30 件)、その年の AAA の 83% が後に格下げ。GSE の住宅ローン関与は 5 兆ドル、財務省の GSE 支援は 2010 年第 3 四半期までに 1,510 億ドル。過剰流動性は信用バブルの前提条件だったが危機の原因ではない、というのが委員会の結論
  11. 第 15 章(pp.289–290): 2008 年 3 月 14 日にニューヨーク連銀が JPMorgan 経由で Bear に 129 億ドルを貸し、3 月 16 日に 13 条 3 項で Bear の資産 299 億 7,000 万ドルを Maiden Lane LLC が買い取る(NY 連銀 288 億 2,000 万ドルの融資、JPMorgan 11 億 5,000 万ドルの劣後融資が第一次損失)。JPMorgan は 1 株 2 ドルで買収を発表し、3 月 24 日に 10 ドルへ引き上げ
  12. 第 20 章(pp.356–357): Reserve Primary Fund は 9 月 15 日時点で総資産 624 億ドルのうち 1.2%(7 億 8,500 万ドル)を Lehman の CP で保有。同日午前に 108 億ドルの解約請求、カストディアンの State Street が 10 時 10 分に立替を止め、15〜16 日にさらに 290 億ドルの請求。16 日午後 4 時に Lehman 債をゼロと評価して額面割れ。その後 2 年で 62 の MMF(米 36・欧 26)がスポンサーの支援を受け、Lehman 債を持たない MMF にも解約が及んだ
  13. 第 20 章(pp.373–374): 2008 年 10 月 13 日、財務省は TARP から 2,500 億ドルを資本購入プログラム(CPP、配当 5%・5 年後 9% の上位優先株)に充て、うち半分を 9 社へ(Citigroup・JPMorgan・Wells 各 250 億、Bank of America 150 億、Merrill・Morgan Stanley・Goldman 各 100 億、BNY Mellon 30 億、State Street 20 億ドル)。9 社の資産は 11 兆ドル超で米国の銀行資産の約 75%
  14. 第 21 章: 景気後退は 2007 年 12 月に始まり、2008 年に 360 万、2009 年 12 月までにさらに 470 万の雇用が失われ、2010 年 11 月までに 100 万近くを取り戻した
  15. 反対意見(Hennessey・Holtz-Eakin・Thomas): 単一原因説(資本移動・金融政策・住宅政策・規制不足・デリバティブ・強欲)はいずれも不十分。多数意見は広すぎる。10 の本質的原因を挙げ、信用バブルの原因は国際資本移動とリスクの再評価で、米国の金融政策は増幅要因かもしれないが本質的原因ではない。2008 年 9 月の連鎖(9/7 GSE、9/15 Lehman、9/16 RPF と AIG 850 億、9/18〜19 TARP 案 7,000 億、9/21 Goldman・Morgan Stanley の銀行持株会社化、9/25 WaMu、9/29 下院否決と Wachovia、10/1〜3 成立)を挙げ、パニックを Lehman だけに帰すのは誤りとする
  16. 反対意見(Wallison): 危機の必要条件は米国政府の住宅政策で、2,700 万件のサブプライムとリスクの高いローン(全住宅ローンの半分)を生み、1997〜2007 年の住宅バブルの収縮で一斉に不良化した、という立場

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