NOMISMA SCHOLA

貨幣の人類学

F2 — 隣の学問

貨幣の人類学 — 科目の口絵

「物々交換から貨幣が生まれた」は、人類学では通用しません。 贈与、負債、儀礼の器物。貨幣以前の世界から、通説を疑う目を鍛えます。

監修: 葉山 満 / 本文の読了目安: およそ 6 分(本文 3,116 字・毎分500字で換算。演習と読む教材の時間は含みません) / 本文のほかに、演習 6 問・実物 1 点・読む教材 5 停

この科目で、できるようになること

  • 物々交換起源説が「確かめられていない通説」であることを説明できる。
  • ワンパムを「儀礼の器物」として、カネ扱いの見落としごと説明できる。
  • 貝貨の流通と、その暗部(奴隷貿易)を併せて語れる。
  • 「物々交換は貨幣の後に現れる」場面を史実で挙げられる。

レッスン(6節)

  1. 神話の解剖 — 物々交換から、は書かれていない最古の記録に物々交換は出てこない。出てくるのは神殿の帳簿。通説は確かめられていない。
  2. 意味の織物 — ワンパムをカネと呼ぶ前にワンパムは約束を記録し外交の言葉を編む儀礼の器物だった。カネの顔は後から持たされた。
  3. 貝の道の光と影 — カウリーの数千年インド洋の貝はアジアからアフリカまで流通した。その同じ貝で、人間が数えられた。
  4. 貝のお金が無かった島 — 否定の証拠の使い方貝の字を持つ漢字は海の向こうの話。日本に貝貨は流通しなかった——否定の明記の価値。
  5. 貨幣の後の物々交換 — 順序の逆転物々交換の列車は、貨幣が壊れた後に走った。通説の順序は、しばしば逆さまである。
  6. 貨幣以前から続くもの — 贈与と負債と祈り賽銭は初穂の記憶、出挙は稲の利息。貨幣は古い関係の上に、後から載った層である。

読む教材(5)

  • 起源以前 総論・世界2700年 紀元前 3000年 メソポタミア
    第1節。神話の解剖の原文。E1 と対で読む
  • 貨幣のない植民地 アメリカ 17世紀 ニューイングランドの海辺
    第2節。「意味の織物」。カネと呼ぶ前に読む文法
  • アフリカと新世界 総論・世界2700年 数千年のあいだ カウリー貝の道
    第3節。最初の世界通貨の光と、人間を数えた影
  • 銭以前 日本 弥生〜7世紀 倭の村々
    第4節。否定の明記の価値。貝の字は海の向こうの話
  • タバコが貨幣だった ドイツ 1945〜1948年 都市と農村を結ぶ列車
    第5節。貨幣の死の後に現れた物々交換の実見記録

評価方法

科目内の演習 6 問(確認 4・比較 1・記述 1)。到達は自己評価で記録します。