戳記の八レアル
1808年 ・ 銀 ・ 十九世紀 ・ メキシコ市造幣所(打刻は中国の市場)
表
裏
太平洋を渡って長い旅を重ねた八レアルは、表も裏も戳記で埋め尽くされていく。もとの図像は打刻に潰され、王の顔もやがて判別できなくなった。それでもこの銀貨は市場で変わることなく流れ続ける。打刻で面は変わった。けれど、重なった印は、この銀貨が人の手で確かめられながら使われてきたことをうかがわせる。ただし、印の数だけ検査があり、そのたびに通ったとまでは、この一枚からは言えない。打ったのは商人と、両替を扱う者と、銀を検める鑑定人である。それぞれが自分の印を持ち、確かめた証として銀貨に刻んだ。