辞典と参考文献
Quantifying monetary production in Greco-Roman times: a general frame(François de Callataÿ, in F. de Callataÿ (ed.), Quantifying Monetary Supplies in Greco-Roman Times, Pragmateiai 19, Bari: Edipuglia, 2011, pp. 7–29)
François de Callataÿ(写し: ORFEO — 王立ベルギー図書館 KBR の公開リポジトリ)

この資料が支える主張
- p. 8: 1970〜80年代に15を超える統計式が導入されたが、統計は道具にすぎず、打たれた貨幣の量の見積もりは歴史的証拠に依る。見積もりは常に大きな不確かさを伴う
- p. 9: 銀貨について表極印1個あたり20,000枚を提案。2倍・2分の1(10,000〜40,000)はあり得るが、3倍(6,666〜60,000)は最もありそうになく、4倍(5,000〜80,000)はほぼ除外。極印が1個かごく少数の標本は例外
- p. 11: 唯一の碑文証拠であるデルフォイのアンフィクティオニア会計の apousia 記録について Marchetti は表極印あたり16,000枚前後と読み直した(Kinns の27,000に対して)
- p. 12: 中世イングランドの記録(Allen 2004)では表極印100個以上の大きな標本で1極印あたり30,000〜35,000枚の平均が安定し、著者はこれを古代の上限とみなす
- p. 13: 二冊の Recueil quantitatif に集めた609のギリシア貨幣の極印研究では、表極印1個あたり平均4.2枚が現存(92,550枚/21,973表極印)。アテナイ新様式テトラドラクマは3,866枚に473表極印
- p. 13: 1極印6,000枚という低い平均を仮定すると残存率が734枚に1枚となり、中世・近世の5,000分の1前後と比べてあり得ない。ゆえにギリシア銀貨の平均は10,000〜40,000の間に置ける
- p. 20, Table 3: ヘレニズム期の銀貨の年間産出(アッティカ・ドラクマ表極印換算)。アレクサンドロス名義 c. 350.0、プトレマイオス2世 c. 132.0、Demetrius Poliorcetes (c. 306–c. 287 BC) c. 48.2、アテナイ c. 39.5、ロドス c. 9.5、ミレトス c. 2.2
- p. 21: 700を超えるギリシアの極印研究のデータを集め、極印の水準で共通単位(アッティカ・ドラクマ表極印換算)で比べるのが第一歩。1極印20,000枚を掛けてタラントンと銀のトンで表すと、他のデータと比較できる
- p. 22, Table 5: テトラドラクマ表極印1個 = 20,000 × 17.2 g = 銀0.34トン。ヘレニズム世界の銀貨総量は c. 2,000トン、利用可能な銀は c. 20,000トン(2倍・2分の1はあり得るが桁は千トン)
- p. 23: 著者自身がかつてアレクサンドロス名義の貨幣を約200,000タラントンと見積もったが、銀20,000・金10,000の平均に改めると c. 90,000タラントンに減り、ペルシアの戦利品との一致は消えた(不確かさの幅を示す例)
- pp. 17–19: 量を数える意義は「足りない」「多すぎる」を判定できること。ポントスの都市の発行は兵1,000人の一年分にも足りない。ビュザンティオンの後期リュシマコス型は15年で200を超える表極印で多すぎる
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