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詐欺の手口と身を守る方法

警察を名乗る電話や急がせる勧誘に、どう対応するか。手口と相談先を具体例で学びます。

たとえば、こんな電話がかかってきたとします。警察官を名乗る相手が、「あなたの口座が犯罪に利用されています。キャッシュカードの交換手続きが必要です」と言います。

警察庁が公表する手口の一覧には、これとそっくりの手口が載っています。預貯金詐欺です。親族や警察官、銀行協会の職員を装い、口座が犯罪に利用されていると告げて、カードや通帳をだまし取ります。警察庁は、自治体や銀行協会などの職員が暗証番号を聞いたり、キャッシュカードを預かりに来たりすることは絶対にない、と書いています。

この電話には、詐欺によく出る兆候が、もう二つ入っています。知っている組織のふりをすることと、問題があると言うことです。米国の消費者機関 FTC は、画面に出る名前と番号は作れる、と書いています。

確かめ方は単純です。相手が示した番号にかけ直さず、自分で調べた番号にかける。何かをする前に、信頼できる人に話す。

手口の名は国と年で変わります。この講座では、繰り返し現れる四つの兆候と、その場で使う3つの手順——切る・確かめる・話す——と、相談先を持ちます。十七世紀のロンドンでは、贋金師が造幣局の改革を提言する側に立ちながら贋金を造っていました。名乗りで信用させる型は、金貨の時代からあります。

賢さは守りにならない — 四つの兆候

米国の消費者機関である FTC は、詐欺の兆候を四つにまとめています。知っている組織のふりをする。問題か賞金があると言う。今すぐ行動しろと迫る。特定の払い方を指定する。この四つです。

日本の警察庁が公表する手口の一覧も、同じ骨組みで読めます。ニセ警察詐欺は、警察官をかたり、捜査の名目で現金をだまし取る手口です。組織のふりと、問題の作り話が重なっています。還付金詐欺は、税金の還付の手続きを装って ATM を操作させます。問題の作り話に、特定の払い方が重なっています。

手口の名は国と年で変わります。四つの兆候は、繰り返し現れます。

詐欺の側がねらうのは、確かめる時間です。FTC は、詐欺師は考える時間を持つ前に行動させたがる、と書いています。

自分が最近受けた電話やメッセージを、四つの兆候に当ててみるところから、この講座は始まります。

なぜ賢い人も騙されるのか

本文を読む目安:約8分
確認問題は任意です(この時間に含みません)
読める範囲:全文無料

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3分でわかる 詐欺から身を守る

  1. 絵で見る
  2. 数字で見る
  3. あなたならどうする?
  4. くわしく読む

1絵で見る

横に送って見られます

1 / 8

手口の名前は変わる。でも、怪しい兆候は4つ

組織のふり・困りごとか当たり・今すぐ・払い方の指定

2 / 8

警察や銀行を名乗る電話。名前も番号の表示も作れる

暗証番号を聞く・カードを預かりに来ることは絶対にない

3 / 8

作り話は「困っている」か「当たった」のどちらか

行き先はどちらも「先に払わせる」

4 / 8

「今すぐ」「電話を切るな」は、それだけで兆候

まともな相手は、決める時間をくれる

5 / 8

ATM・暗号資産・ギフトカード。払い方の指定は兆候

取り消せない・追えない・顔が見えない

6 / 8

お金を借りる前に、貸す側の登録を確かめる

名前の「バンク」「信託」は、信用の根拠にならない

7 / 8

1696年

昔の贋金づくりも、改革を語る紳士のふりをした

権威の側に立って見せるのは、昔からの手

8 / 8

切る・確かめる・話す。相談は188と #9110

その日のうちに、家族か公的な窓口へ

2数字で見る

188

消費者ホットライン。最寄りの相談窓口につながる

9110

警察の相談電話(#9110にかける)

3あなたならどうする?

電話が鳴りました。「警察です。あなたの口座が犯罪に使われています。今からキャッシュカードを預かりに行きます」。あなたならどうしますか?

選んでみてください

電話で言われた番号にかけ直して確かめる

番号の表示や名乗りは作れます。かけ直すなら、相手が示した番号ではなく、自分で調べた公式の番号にかけます。

電話を切り、自分で調べた番号か #9110にかける

これが正しい手順です。警察官や銀行協会の職員が、キャッシュカードを預かりに来ることは絶対にありません。切ってから確かめても、失うものはありません。

急いでいるようなので、カードを用意する

「今すぐ」と急がせるのは、それだけで兆候です。まず電話を切り、その日のうちに家族か窓口に話しましょう。

4くわしく読む

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再現画詐欺の手口と身を守る方法 — 講座の口絵

この講座で、分かるようになること

  • 詐欺の四つの兆候(組織のふり・問題か賞金・時間の圧力・特定の払い方)を、初めて見る手口にも当てはめられる。
  • 警察と消費者機関が公表する手口の型を言え、自分の生活で出会う場面に置ける。
  • 勧誘を受けたとき、切る・確かめる・話す、の3つの手順をその場で使える。
詳しい案内

講座の番号:P1 — なぜ賢い人も騙されるのか

監修: 葉山 満

本文のほかに、演習6問・読む教材3件 所要時間の出し方

ほかに分かること

  • 被害の前と後で、相談先(日本の188と #9110、米国の FTC など)を選べる。

評価方法

講座内の演習6問(確認4・比較0・記述2)。到達は自己評価で記録します。

この講座の8つの章
  1. 賢さは守りにならない — 四つの兆候手口の名は変わる。四つの兆候は繰り返し現れる。気づいたら止まって、自分で調べた番号で確かめる。
  2. 組織のふり — 警察・銀行・役所の名を借りる名乗りと番号の表示は作れる。相手が示した番号にかけ直さない。自分で調べた番号にかける。
  3. 問題か賞金 — 「困っている」と「当たった」作り話は「困っている」か「当たった」。出口はどちらも「先に払わせる」。
  4. 時間の圧力 — 今日中・今だけ・電話を切るな「今すぐ」は兆候。止まる・切る・確かめる・話す。切ってから確かめても失うものは無い。
  5. 特定の払い方 — 暗号資産・送金業者・ギフトカード・ATM払い方が指定されたら、中身を吟味しなくてよい。取り消せない・追えない・顔が見えない払い方は、兆候そのもの。
  6. 借りるときの型 — 無登録業者と「即日融資」貸す側の登録を先に確かめる。確認できなければ借りない。名前の「バンク」「信託」は信用の根拠にならない。
  7. 贋金師と捜査官 — 型は三百年前と同じ保証を信じる心は貨幣を便利にした心と同じ。無くせないから、手順で守る。
  8. 身を守る3つの手順 — 切る・確かめる・話す切る・確かめる・話す。日本は188と #9110。被害の後もクーリング・オフなどの民事ルールを窓口で確かめられる。
読む教材(3)
  • 偽物の誕生 総論・世界 偽金の歴史 通史
    保証を信じる人は中身を確かめない、という貨幣の弱点が、詐欺の型そのものだから。
  • 試金石 総論・世界 偽金の歴史 古代
    試金石という「確かめる道具」の歴史。作り話にも試金石が要る。
  • ニュートン対チャロナー 総論・世界 偽金の歴史 後1699年
    改革を提言する側に立った贋金師。「ふり」の型の三百年前の姿。

次に読む

偽金と偽札の歴史 →

詐欺の次は、偽造の歴史から、信用を悪用する仕組みを知ります。偽物を作る工夫と、見抜く工夫をたどります。

次に分かること:偽造を防ぐ工夫が、なぜ「見た目」ではなく「見分けやすさ」を狙うのかを説明できる。

本文を読む目安:約20分 / 読める範囲:講座の入口と目次は無料・本文は購入された方向け