NOMISMA SCHOLA
PRACTICE / 計算帳

物価で目減りする額を数える

年金の通知の額は増えたのに、暮らしは楽にならない。いくら目減りしているのか。

使う場面 年金額の通知が届いたとき。定期預金の満期の案内が届いたとき。値上げのニュースを見たとき。

額面と、買えるもの

額面の数を名目、物価の分を差し引いた数を実質と呼びます。物価が年 r パーセント上がると、n 年後に同じ額面で買えるものは、今の 1 ÷ (1 + r/100) の n 乗になります。2025 年の日本の消費者物価(総合)は前年比 3.2 パーセントの上昇でした。

実質の価値 = 額面 ÷ (1 + 物価上昇率/100) の 年数 乗。目減り = 額面 − 実質の価値。物価が年 2 パーセントなら 10 年で額面 100 は 82 になります(100 ÷ 1.02 の 10 乗)。

使い方

額面には、自分の年金の年額や定期預金の額を入れます。物価上昇率には、直近の年の消費者物価の上昇率を入れます。率は毎年変わるので、この計算は「その率が続いたら」という仮の計算です。将来の率を当てるものではありません。

確かめる先

日本の消費者物価指数は総務省統計局が毎月公表します。米国は労働統計局、ユーロ圏は Eurostat が同じ形の指数を出しています。率を差し替えれば、式は同じです。

自分の数で試す

数を変えると、その場で計算し直します。式は下に書いてあります。値の根拠は出典の頁へ。

入れる数

出る数

n 年後に同じ額面で買えるものの、今の値打ち(円)
目減りした分(円)
今の値打ちに対する割合(%)

 額面を「1 + 物価上昇率」の年数乗で割ると、今の値打ちに直した額になる。額面からそれを引いた分が目減り。

他の国では

原理は共通です。米国の労働統計局の CPI、ユーロ圏の HICP(約 700 品目)も、家計が買う籠の値段を前年と比べる同じ形の指数です。率を差し替えれば同じ式で目減りを数えられます。日本銀行も欧州中央銀行も物価の目標を 2 パーセントに置いています。

出典(史料室)

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