ガロ・ベルジックの金ステーター
前2〜前1世紀 ・ 金 ・ 紀元前二世紀 ・ ベルガエ系ガリア(現ベルギー〜北仏)

ブリテン島で最初に使われた貨幣は、島の産ではない。ベルガエ系ガリアで打たれ、前二世紀半ばごろから海峡を渡って流入した金のステーターである。図像の源流は、マケドニア王フィリッポス二世の金貨。アポロンの頭部と二頭立ての戦車が、ケルトの工人の写しに写しを重ねるうち、曲線と点の文様へ変わっていった。片面がほとんど無地に近いのも、この系譜の型である。ギリシャの王の顔が、三百年かけてケルトの文様になった——貨幣図像の「伝言ゲーム」を、その身で語る一枚。