削られた四レアル

コブの不定形の縁は、鋏の誘惑を生んだ。縁を少し切り取っても、もともと形が不揃いなために見分けがつきにくい。こっそり削り取った銀は、溶かせば地金として手元に残る。目方を信じて受け取ったはずの銀貨が、実は中身を欠いている。掲げた一枚はイングランド・ケントで見つかったフェリペ二世期の四レアルで、考古の記録写真のまま定規が並んでいる。削り取りを許さない縁が機械打ちの装飾で塞がれるのは、ようやく一七三二年のことである。

コブの不定形の縁は、鋏の誘惑を生んだ。縁を少し切り取っても、もともと形が不揃いなために見分けがつきにくい。こっそり削り取った銀は、溶かせば地金として手元に残る。目方を信じて受け取ったはずの銀貨が、実は中身を欠いている。掲げた一枚はイングランド・ケントで見つかったフェリペ二世期の四レアルで、考古の記録写真のまま定規が並んでいる。削り取りを許さない縁が機械打ちの装飾で塞がれるのは、ようやく一七三二年のことである。