臨時政府の五ペソ券
1914年 ・ 紙 ・ 二十世紀 ・ メキシコ臨時政府(ベラクルス)
内戦は貨幣史には紙幣の乱立として刻まれている。カランサの憲政派が、ビジャ派が、サパタ派が、それぞれの紙幣を刷った。派閥だけではない。州が、都市が、果ては鉱山会社までもが自前の紙を出し、発行主体の総数は目録によって数えが違うほどだとされる。掲げた一枚はベラクルスで一九一四年十二月一日に発行された臨時政府の五ペソ券である。世界に銀貨を供給し続けた国の内側が、互いを認め合わない紙で埋まっていった。一九一六年の時点で、市中を回っていた紙幣は二十一種類にのぼる。