NOMISMA SCHOLA

ナポレオン三世の五フラン銀貨

1856年 ・  ・ 十九世紀 ・ パリ造幣所(第二帝政)

ナポレオン三世の五フラン銀貨(表)
ナポレオン3世 5フラン銀貨(彫刻 Jean-Jacques Barre) / CC BY-SA 3.0(Wikimedia Commons)

ナポレオン三世の五フラン銀貨(一八五六)。第二帝政の下、月桂冠をかぶった皇帝の横顔が銀貨に載る。カエサル以来の、権力者が己の顔を貨幣に刻む営みである。だがこの時代、カリフォルニアとオーストラリアの金が世界にあふれ、公定の十五・五対一の秤では銀のほうが値打ちが高くなった。人々は五フラン銀貨を溶かし、インドへ送る。ジェルミナルの複本位が静かに金へ傾くなか、この銀貨は日常から姿を消していった。