サカテカス臨時貨
1811年 ・ 銀 ・ 十九世紀 ・ サカテカス

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銀山の町サカテカスもまた、戦時のさなかに自前の貨幣を打ち始めた。臨時貨に選ばれた意匠は王の胸像ではなく、山と十字——銀を生む山の姿そのものである。その図柄はのちに武装した胸像へと移っていく。首都の型が届かないのなら、町は手元にあるもの、すなわち富の源である山を貨幣に刻むほかない。三百年のあいだ、ただ一つの権威の図像で統一されてきたメキシコの銀貨に、初めて土地の顔が現れた。