希少性は何で確かめるか
希少性を調べるには、数を見る前に、何を同じ種類として数えるかを決めます。そのうえで、資料の範囲と調査時点を確かめます。次の順で、分かったことを書き留めてみてください。
① 比べる対象をそろえる
貨幣名、額面、年銘、造幣所、図柄の違いを確かめます。読めない文字や分からない項目は、そのまま残します。重さや品位は種類を照合する手がかりになりますが、それだけで希少性は決まりません。
② つくられた数を調べる
造幣所の記録や研究書で、製造数・発行数の記載を探します。年全体の集計なのか、特定の種類の集計なのかも確認します。記録が見つからなければ「発行数は未確認」と書きます。
③ 確認された個体と、資料の範囲を調べる
博物館の所蔵記録、目録、売立目録などで個体を探します。同じ一枚が別の記録に再登場することもあるため、記録の件数をそのまま枚数にはしません。鑑定機関の集計も、対象はその機関が扱った貨幣です。全世界の現存数としては扱いません。
④ 保存状態の条件をそろえる
種類全体についての数か、特定の保存状態に限った数かを分けます。鑑定機関ごとの集計を比べるときは、分類や更新日も確認します。写真で見える摩耗や傷だけで、鑑定上の評価を確定することはできません。
⑤ 出典を添えて結論を書く
「資料名・確認日・対象の種類・確認できた数・数えていない範囲」を一緒に残します。「この目録で確認できた数」と「存在する総数」を分ければ、あとから別の資料と比べられます。