五百万ドラクマ券
一九四四年の五〇〇万ドラクマ券。ハイパーインフレが最高額面へ駆け上がる途中の一枚である。券面にはシラクサのデカドラクマに刻まれた泉の精アレトゥサの意匠が使われた——前四〇〇年頃、古代貨幣芸術の頂点と評された顔が、二千三百年あまりを経て、価値の溶けていく紙の上に戻ってきた。貨幣の名も価値も移ろうなかで、意匠だけが時代を渡っていく。アテネ貨幣博物館の展示品である。
一九四四年の五〇〇万ドラクマ券。ハイパーインフレが最高額面へ駆け上がる途中の一枚である。券面にはシラクサのデカドラクマに刻まれた泉の精アレトゥサの意匠が使われた——前四〇〇年頃、古代貨幣芸術の頂点と評された顔が、二千三百年あまりを経て、価値の溶けていく紙の上に戻ってきた。貨幣の名も価値も移ろうなかで、意匠だけが時代を渡っていく。アテネ貨幣博物館の展示品である。