お金の歴史を
ひと目でつかむ

ArchaiOptix / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)
財布の一万円札は、紙なのに一万円として使えます。
昔の人は、貝や布で払い、金や銀は重さを量って払っていました。
お金の値打ちを支えるものは、時代ごとに入れ替わってきました。まず一枚のコインで、一つの入れ替わりを見てください。
まず一枚 はじめてのコイン

エレクトロンのトリテ リディア サルディス・BC 610–560・直径13mm
エレクトロン(金と銀が混じった金属)に、ライオンの頭を打ったリディア王家の硬貨です。このライオンの頭が、王家の打った印です。
- それまで 何を支えに払ったか金属の重さ銀や銅を秤で量って払う。払うたびに、量って質を確かめる手間がかかった。
- コインから 何が変わったか印を打った金属都市や王が、重さと質を保証する印を打つ。量らずに、数えるだけで払えるようになった。
次の問いは、印の保証がいつまで値打ちを支えられたかです。支えはこの先、紙の約束、国の信用、帳簿の数字へと移ります。図1でその順を、図2で十二の時代を見てください。
図1 お金を支えてきたもの
- 1 物そのもの貝・布・穀物・家畜。それ自体に使い道のある物で払う。借りを記録する方法もあったコインが生まれる前
- 2 金属の重さ銀や銅を秤で量って払う。払うたびに、量って質を確かめる手間がかかるコインが生まれる前
- 3 印を打った金属都市や王が、重さと質を保証する印を打つ。数えるだけで払えるようになったはじめてのコインから
- 4 紙の約束預けた金属の預かり証や、「換えます」と約束した紙が、お金として回り始める中世の中国の紙幣・銀行と国の借金の時代
- 5 国の信用一九七一年、ドルと金の交換が止まる。紙幣は金と換えられないまま使われ続ける金と切れたお金
- 6 帳簿の数字預金・電子マネー・デジタル通貨。お金の多くは、銀行や中央銀行の帳簿の上の数字になったいまのお金・デジタルのお金
図2 十二の時代
前650〜前336
はじめてのコイン
リディアやギリシャで、金属に印を打つ発明が生まれた
エレクトロンのトリテ / Unknown / Photography by CNG coins / CC BY-SA 3.0(Wikimedia Commons)
資料写真
前335〜475
大帝国のお金
ローマや秦・漢の貨幣が、広い地域を一つにつないだ
デナリウス / Unknown / CC0(Wikimedia Commons)
資料写真
476〜1449
中世の三つの世界
金貨の帝国、文字だけの貨幣、そして中国で紙のお金
フィオリーノ / Francesco Bini / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)
資料写真
1450〜1649
銀が世界を回る
新大陸の銀が海を渡り、東アジアの需要と出会った
ポトシの八レアル銀貨 / National Museum Liverpool / Frances McIntosh(PAS) / CC BY-SA 2.0(Wikimedia Commons)
資料写真
1650〜1815
銀行と国の借金
預かり証が紙幣になり、国が銀行からお金を借りる
アッシニア5リーブル(国有財産) / フランス革命政府(国民議会) / Public domain(Wikimedia Commons)
資料写真
1816〜1913
金が物差しの時代
各国のお金が、金を物差しにして結びついた
ソブリン金貨 / Heritage Auctions for the photo, William Wyon designed the coin / Public domain(Wikimedia Commons)
資料写真
1914〜1944
戦争と恐慌
金の仕組みが壊れ、紙のお金が増え、恐慌が来た
一〇〇兆マルク札 / Reichsbank / Public domain(Wikimedia Commons)
資料写真
1945〜1971
ドルの時代
各国はドルに、ドルだけが金につながった
一ドイツマルク札(1948年シリーズ) / National Museum of American History / Public domain(Wikimedia Commons)
1972〜2007
金と切れたお金
ドルと金の交換が止まり、国の信用が支えになった
資料写真
2008〜2019
いまのお金
二〇〇八年の金融危機から。銀行と中央銀行の帳簿で読む
2ユーロ記念貨(経済通貨同盟10年) / Reinhard Saczewski / Public domain(Wikimedia Commons)
2020〜
デジタルのお金
電子マネー、ビットコイン、中央銀行のデジタル通貨
どこから読む?
お金の値打ちは、いつの時代も、何に支えられてきたのか。
この一冊を3分で
- お金の値打ちを支えるものは、物そのもの、金属の重さ、印を打った金属、紙の約束、国の信用、帳簿の数字と入れ替わってきました(図1)。
- 古い支えは消えたのではなく、いまも重なっています。硬貨は金属、預金は帳簿の数字です。
- この本は、その入れ替わりを十二の時代に分けてたどります(図2)。各章は、その時代のお金の説明と、その時代を読める章の一覧です。
- 年表は、世紀ごとに章を並べ直したものです。同じ世紀の章が横に並びます。
- 教材の収録数と、時代ごとの教材の数を一枚の表に並べた地図は、巻末の教材索引にまとめました。歴史をたどるのに、先に読む必要はありません。
目次
NOMISMA の教材は、一枚の貨幣を入口に、現代のお金まで一本につなげる、という原則で組まれています。この本は、その全体を十二の時代に分けて見渡す入口です。
各章は、その時代に何がお金の値打ちを支えていたかの説明から始まります。続いて、その時代を扱う本と、その時代の章の一覧を並べます。章の名を押すと、NOMISMA の画面で読めます。
時代の境目の年は、ある年に一斉に切り替わった線ではありません。境目の前後の話は、どちらの時代にも読めることがあります。境目は幅で読んでください。
各章の説明に書いた年は、全体カリキュラム地図が時代に付けた年で、境目の年(一九一四年など)は、前後の二つの時代の説明の両方に出てきます。章の一覧は、中の話の年が多く入る時代へ、章を一つずつ振り分けたものです。この振り分けでは境目の年をどちらか一方の時代にだけ入れており、その範囲を「年代の幅(章を振り分けた年)」として示します。そのため、説明の年と一年違うことがあります。
教材の収録数と数表は、巻末の教材索引にあります。歴史をたどるのに、先に読む必要はありません。
コインが生まれる前
コインが生まれる前のお金です。負債の記録、秤で量る金属、貝や布や家畜のような物品貨幣。
- 年代の幅(章を振り分けた年)
- 〜前7世紀
- この時代を扱う本
- 本は未刊(通史の刊行を待つ)(通史①)
| 編 | 章 | その章の話の年 | |
|---|---|---|---|
| 総論・世界 | 1 起源以前 | 前3000〜前650 | NOMISMA の画面で読む |
| 中国 | 1 貝という記憶 | 前1050〜2026 | NOMISMA の画面で読む |
無料で試し読みできる範囲はここまでです
この先の「はじめてのコイン」「大帝国のお金」「中世の三つの世界」「銀が世界を回る」「銀行と国の借金」「金が物差しの時代」「戦争と恐慌」「ドルの時代」「金と切れたお金」「いまのお金」「デジタルのお金」「年表 — 世紀ごとに、章を横に並べる」は、購入された方向けです(本の終わりの資料も同じです)。
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