カバジート
1911年 ・ 銀 ・ 二十世紀 ・ メキシコ市造幣所

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一九一〇年、新しい意匠をまとった一ペソ銀貨が発行された。「カバジート」の名で知られる銀貨である。銀を捨てた一九〇五年の幣制改革ののちに生まれ直した、新生ペソの顔だった。そしてまさにこの同じ年、メキシコ革命が始まる。鉄道と外資と鉱山輸出で「秩序と進歩」を掲げてきたディアスの長期政権は、幣制の仕上げを見届けた頃に倒れようとしていた。新しい銀貨の輝きと、迫る内乱という取り合わせこそ、この国の貨幣史の型である。