デマレテイオン(伝)
前480/79年か前470〜460年代(諸説) ・ 銀 ・ 紀元前五世紀 ・ シラクサ
「デマレテイオン」——ゲロンの妃デマレテがヒメラの戦い(前四八〇年)の後に打たせた最初のデカドラクマ、と古くから語られてきた銀貨である。伝えるのはおよそ四五〇年後に編纂されたディオドロスの記事で、Kraay は一九六九年、記事の解釈上それは金貨であるべきことなどを指摘して前四八〇/七九年説を否定した。現在はこの銀貨を前四七〇〜四六〇年代に置く見方が主流である。アレトゥサの頭部、ΣΥΡΑΚΟΣΙΟΝ の逆行銘、四頭のイルカ。伝説と年代論争ごと眺める一枚である。